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[コメント] 銀色の髪のアギト(2005/日)

えぇっと、(『未来少年コナン』+『風の谷のナウシカ』+『天空の城ラピュタ』+『ケイナ(フランス産のCGアニメです)』+『甲殻機動隊』+『エヴァンゲリオン』)÷10、ぐらいか。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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一言で言ってしまうなら、「主人公とヒロインの魅力がない!」。彼らと、もう一人の過去から来た青年たちの行動に心揺り動かされない。感情に共感できない。どこに見るものの視点を置いていいのかわからない(っていうかアギトになんだろうけど、彼は「いい子」でしかない。「アギト」という名前は「腭(あぎと)」であり(あるいは顎<あご>)、「龍のアギト」「獅子のアギト」などに使われる「鋭い牙の噛み合わせ」のイメージ。そんな激しい名前に負けてるぞ!。もっと感情ほとばしる様な激しい発露を見せてくれないとね。

ワリと使い古された感じの世界観(ほとんどコナンやナウシカと同じ)だけど、妙な半獣人たちの出現にゾクゾクした・・・が、あいつら結局何者?(愛知万博の押尾守プロデュースで大変不評?だった「夢見る山」のパビリオンに意味なく並んでいた半獣人?を髣髴とさせる不気味さ。)。冒頭で彼らは「水を抜く」とかしていて、町にほどよく脅威と緊張をあたえる存在。「森が人を襲う」って言っていたけど、そんなに「人食い森」みたいなワケでもなかったし、森と町が仲良く共存しているように見えるんだけど。で半獣人は人?森の守護神?、そのあたりの設定が不十分で、困った。奴らをもっとうまくストーリーに活かす事が出来たんじゃないかな?

そもそも中立都市と森との間で「水」に関してはいったいどういう取り決めになっていたんだろう。冒頭でアギトが水を盗みに行かなくても、それほどギリギリに水に苦労しているというほどでもなかったのに、ほとんど「遊び半分」な感じだが、それで水抜きのお仕置きくらってるんじゃ、こいつらバカ?ってなるよね。

「強化隊?」の一人の銀髪オヤジ。顔は「甲殻」のバトゥーみたいにハードボイルドなのに、声はフッくん。ちょっとギャップ。

で、同じ「強化隊」の古手川・布川とちがい、アギトの父だけがなぜ森に沈む存在になったのだろう?同じ「町の創設者」でありながら明らかに違う現在の姿。なぜそうなったのかが説明がない。彼がより強く「森のちから」を使った為?なら、もっと町に人はアギトの父に敬意を払っても良いはずなのに、ひとりひっそりと森になるのが気の毒だ。

武装都市は「コナン」でいえばそのままインダストリアか。とはいえ、将軍っぽい女の人も最後は共に戦ってる。「軍事目的で使用させない」とか銀髪の青年が言ってたけど、そのあたりの武装都市の目的が今ひとつはっきりしない。青年も最後は奇麗事言ってたし。つまりコナンの「レプカ」やラピュタの「ムスカ」に相当するような「悪役」が不在なため、締りがない。

と、まぁ不満ばっかり書き連ねたけど、「画」は好きでした。「ゴンゾ」が次に制作する『ブレイブストーリー』への期待ふくめて3点。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)SUM[*] 水那岐[*]

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