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[コメント] 幸せのちから(2006/米)

ちょっとハラがたってるのかもしれない、僕。本意ではないのかもしれないが、「しあわせ」=「裕福になること」と言われたみたいで。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「成功を掴み取った、努力家」として=80点。「息子を思うパパ」として=50点。「家族の一員」として=15点。

「研修期間の間、一生懸命頑張った」というのはよく判った。でも、「家族」を考えた時に、その結末が「本当の幸せか?」と訊ねたくなる。

始まりの部分、証券取引所の前で「幸せそうな顔」をした人間たちの、作ったような半笑いの顔が気色悪かった。

裕福そうな階級の人々。広い庭のある美しい花いっぱいの豪邸に住み、息子と一緒三にオープンカーに乗ってボックス席で49ersのフットボールの試合を観戦。休日にはゴルフに興じる。この映画はどちらかといえば、そういう人々を多少「さげすんだ」視点で描いていた気がする。主人公たちがシスコの街中を駆けずり回っている後ろを、軽薄そうなお金持ちの若い男女が「アハハハ」とかいいながらオープンカーで通り過ぎる。彼らは主人公たちの苦労や痛みなど気にもかけない。

それでありながら、主人公クリスのめざす「しあわせ」は何なんだ?。ってよりこの映画の主題は何だ?。これじゃ『幸せのちから』というよりも、『パパの転職大作戦!』といった方が近いんじゃないか?

それでも「幸せ」というキーワードにこだわるなら、(劇中では「HAPPINESS」の綴りにこだわっていたけど)、息子クリストファーにとっての「幸せ」とは何か?を考えれば、この映画に足りないところ、あるいは僕が不満に思っているところがよく判る。

どうせなら、他の研修生19名にも、きっとそれなりの事情や背景があるわけで、6ヶ月も顔をつき合わせているなら、ライバル同士かもしれないが、それなりに交流だってあるはず。だから、20人の研修生全員は無理かもしれないから、5〜6人ぐらいの生活をオムニバスのようにしてまとめ、「ひとつの座席」を競い合うテーマだったら、この主人公の家族のように、夫婦が、親子が離れてしまう展開も「残念だけど、そういう人生もあるね」と、さらっと思えるのに。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)tkcrows[*] 水那岐[*] sawa:38[*]

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