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[コメント] ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)

北欧サスペンス劇場「ドラゴン・タトゥーの女/北の国の島に消えた少女/華麗なる一族に潜む40年の愛憎/敏腕記者と謎の刺青美女が暴き出す真実とは?」みたいな?
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







スウェーデン版未見。実はリスベットをメインにすえた映画ポスターに、勝手に「ハード・バイオレンス」だと思ってしまっていた。だから、つい映画館に足が向かず、見逃したら、ここで結構な評判だったからびっくり。で、1を見なかったので、2・3も見なかったら、ここでの評判がサッパリだったので、もっとびっくり。

そこへきて、このリメイク。予告編を見る分には「ハード・バイオレンス」な印象そのままの「プロモーションビデオのような大音量の予告編」だったから、いったいどんな映画か、まったく予測できなかった。

で、鑑賞。「ハードバイオレンス」なのはリスベットの生き様。あとは結構直球なサスペンスドラマと、「ダヴィンチ・コード」のような謎解き。

2時間半以上の上映時間だったけど、長さは感じなかった。ダニエル・クレイグが実にいい演技をしていたと思うんです(少し贔屓してます)。

サスペンスとしては、日本の2時間ドラマのように「キャストで判る真犯人」なのは、ちょっともったいない。まぁ、それが映画を見る楽しみを損なってはいないから、いいんだけど。

キャストでいえば、別の映画でオスカー受賞した82才のクリストファー・プラマー(おめでとう!)でなく、いっそ同じオスカーを競った82歳のスウェーデン出身のマックス・フォン・シドーでもよかったかも。そうしたら、同じスウェーデン出身のスカルスガルドと2人並んでいるのに、主演はイギリス人のダニエルかよ!ってスウェーデンの人は思うかもね。ちょうど『SAYURI』で渡辺健、役所公司、工藤夕貴ら、海外でも名の知れた俳優を並べているのに、主演はツァン・ツィーかよ!って思ったように。

話はそれてすいません。面白い映画だったと思うのですが、肝心のリスベットに関しては、私は消化不良です。まずせっかくだから、ちゃんと背中の「ドラゴンタトゥー」をちゃんと見せてほしかった。なんかタトゥーしてるなぁ、とは思ったけど、何の図柄かぜんぜん判らない。ここは西洋風のタトゥーじゃなく、日本の仁侠映画的な「龍の刺青」とかにアレンジしちゃっても面白いかも。

で、彼女がなぜこんな人生を送るようになったのか?という部分は明確にされていない。それは「2」「3」で明らかになるみたいだし、監督自身、あえてリスベットに感情移入させないようにしているみたいだ。だけど、ミカエルと最初に「ヤる」場面の、なんともムードも色気もない始まりと、それでも拒めない?据え膳はしっかりいただく「男の性」と、そしてモザイク。

モザイクはまぁ別にして(今後、18禁でモザイクなしバージョンも一部映画館で上映されるようなので、世の中の男どもが期待に胸膨らませて?楽しみにしているに違いない)、あのシーンだけでももう少し「アタイがアンタを守ってあげるよ!」的な優しさで誘ってくれたら、ずいぶん違った印象になったと思うんだけど。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] yasuyon サイモン64[*]

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