コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ウルヴァリン:SAMURAI(2013/米)

私が今までシネスケで採点した映画925本のうち、たった9本しかない「★1」(占有率0.97%)のひとつ、セガール主演の東京を舞台にした映画『イントゥ・ザ・サン』の、はるかに「下」をゆくデキの悪さ。堂々の★1献上。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たとえ、東京を舞台にしたハリウッド映画といっても、もっと脚本を練ることができるだろう?

そもそも日本の「地理」をもっと勉強しなさい!まず、芝の増上寺?あたりから走って逃げて、なぜか「上野駅」。そこから「E6系?こまち?っぽい新幹線」に乗って「長崎行き?」(あの赤帯新幹線は何者?)。そして、パンタグラフのないその新幹線(途中、新幹線の屋根ギリギリの高さの「広告」の「居酒屋だるま」って・・・)は、マリコの席の真上にだけ、都合よく天井に窓がついてるし。そして穴だらけになった新幹線はどこまで走ったか知らないが、「途中下車」したどこかの街(名古屋?京都?、熱海とか?)の駅前のラブホテルから、「ローカル路線バス」で(高速バスじゃないよね?「高速」と書いてあったけど)長崎についたぞ。それがあの「漁村」だとは・・・。(東京→長崎は、約1200キロ)

あの「漁村・長崎」(撮影は鞆の浦だったらしい)では夏っぽかったのに、その後、雪国に行ってるよ。季節もヘンだよ。

という「ヘンテコ・ニッポン」に異を唱えてるわけではないが、それがなくても、十分に「クソ映画」の殿堂入り。

せめて、マリコかユキオのどっちかでいいから、少しは名の知れた女優さんを使ってほしかった。『SAYURI』みたいにチャン・ツィイーでもいいから(汗)。せめてユキオに菊池凜子。(前述の『イントゥ・ザ・サン』も、なぜかヒロインは栗山千明でてるのに、全く無名の女優(セガールの愛人かも)だった)。

ヤシダの「計画」と最後の戦い自体はそんなに悪くないと思っているので、そこにたどり着くまでの「起・承・転」の脚本を、オレに書かせろ!

すっげー長いから、本当に不満があった人だけ読んでね。

*

・・・・・・ロッキー山脈で、いまだにジーンのことでウジウジしてるローガンは、日本から来たユキオと名乗る女と一緒に日本へ行くことに。そこには、かつて太平洋戦争で命を救ったヤシダという男が待っていた。

ヤシダは、戦後、財をなし、九州一の大富豪となり、その名は日本中に知れ渡っていたが、その彼も高齢のため、病の床に。

ヤシダに会うために福岡についたローガンとユキオ。しかしヤシダの二人の息子シンゲンと、ケンシンは良い顔をしなかった。そしてヤシダの傍らには、主治医の怪しい金髪女ヴァイパーが。

シンゲンは電化製品やIT関連事業を進める「ヤシダ電機」の社長、ケンシンは最新の医薬品や医療機器を作る「ヤシダ製薬」の社長だったが、どちらがヤシダ亡き後の後継者の座に就くのかが、世間の注目を集めていた。

ヤシダ邸でヤシダに再会したローガンはハグをする。「わたしは若き頃に見たローガンの不死身の肉体にあこがれ、少しでも近づくために2つの事業を展開してきたが、いまだに道のり遠く、とうとう君にたどり着けなかった。そんな君にどうしてもお願いしたいことが一つあるんだ。それは、わが娘、ユキオを守ってほしい。」

その言葉に驚くユキオ。ユキオにとっては孤児だった自分を不憫がって育ててくれた大恩人、とばかり思っていたので、事態が呑み込めない。「娘のように愛してくれたということ?」と尋ねるが、そうではなく「実の娘だ」ということらしい。

ユキオの母はかつて、ヤシダ邸で家政婦として働いていたが、ユキオが2歳の時に、シンゲンの娘マリコを幼稚園に送迎をする途中で、交通事故にあい死亡。マリコは事故の後遺症で車椅子生活を送ることに。すでにユキオの父は死亡しているということだったので、子供のいなかったケンシンが養女として育てていた。しかし、大事な娘にけがを負わせた女の子供ということで、ユキオはシンゲンからは嫌われていた。

ローガンにとってもよく事態が呑み込めなかったが、ヤシダの容体が急変。集中治療室へ運ばれるが、そのまま帰らぬ人になったと主治医が告げる・・・。

そしてヤシダの遺言が発表され、ヤシダ財閥の相続人が「ユキオ」であるという。そのことで、ヤシダ邸はもちろん、日本中が驚くことに。シンゲンはもちろん、実の姉妹のように仲が良かったマリコからも敵意の目が向けられ、ユキオは困惑する。養父ケンシンも、なぜユキオなのかが理解できず、冷たく突き放し、彼女は孤立する。

そして、ヤシダの葬儀の最中に、突然ヤクザの集団が襲撃し、成り行きで、ユキオを守る羽目になったローガン。二人で博多駅から列車に乗り、追いすがる敵を蹴散らし、なんとかユキオを守ることができたが、ローガンの体に異変が起きていた。不死身で、ケガもすぐに再生するローガンの体が、ケガが治りにくくなっていた・・・。

一体なぜユキオは襲撃されたのか?相続がらみでシンゲンの命令だったのか?それとも、ヤシダの突然の告白に関連しているのか?ユキオと、傷の癒えないローガンは、ユキオの母の実家があった長崎の郊外にある漁村に隠れることに。

世間の喧騒から逃れ、少し落ち着いたユキオは、母の若い頃の日記をみつける。そこには母がかつて、優秀な「科学者」だったこと、ヤシダと共同で「ある研究」をしていたこと、そしてもう一人、今と全く同じ姿をしたヴァイパーの写真があった。

ヤシダの研究とはもちろん「不死身」への挑戦。日記には失敗ばかりが書かれていたが、ヴァイパーはその成功例だったのか?それとも?なぞは深まるばかりだが、ユキオは母とヤシダの隠す秘密を見つけようと心に誓う。そんなユキオをローガンはそっと見つめる。

翌日、海岸を散歩したローガンは、その漁村がかつてヤシダと出会った防空壕のある海岸だということを思い出す。そのときローガンには「ある疑惑」を考えたが・・・。

突然黒ずくめの忍者の襲撃に会い、ユキオがさらわれる。守ろうと立ち向かうローガンの前に立ちはだかったのは車椅子のマリコだった。マリコは念動力でローガンの動きを封じるのだった。その姿に、ローガンはかつて愛したジーンをだぶらせてしまい、動揺する。力を使い果たし、気絶するマリコを、ローガンは思わず抱きしめてしまう・・・。

マリコが目を覚ました時、ローガンはいったいどういうことかとマリコを詰問する。そしてマリコは告白を始める・・・。ヤシダは長崎で被爆した際に、彼の体内で変化が起き、「ある力」を目覚めさせていた。その力は隔世遺伝し、マリコにも遺伝していた。それに気づかないまま、ある日突然その力が暴走し、ユキオの母を死なせてしまった。それを知ったヤシダは、力いっぱいマリコをハグした。そのとたん、4歳のマリコは体中から力が抜け、車椅子生活を余儀なくされる。ヤシダにとってマリコは愛する女性を死なせた、憎むべき少女になってしまった。しかし4歳だったマリコにはその記憶がなく、ずっと事故のせいだと思っていた。

マリコにそのことを教えたのは、ヤシダ家に仕える忍者の首領の青年。彼はマリコをひそかに愛していた。彼はヤシダ家の正統な後継者は、その力を受け継ぐマリコであるべきだと思っていた。彼はユキオを排除しない限りマリコは後を継げないと思い、マリコのために行動したのだった。

一方、力も受け継いでおらず、後継者からも除外されてしまったシンゲンにとってはユキオも、わが子のマリコも邪魔な存在となってしまった。一生懸命、父のため、会社のために貢献してきたのに、のけ者にされてしまったことが許せなかった。それはケンシンも同じ事であったが、彼はわが子のように愛したユキオが幸せになってくれればそれでよかった。それにもうひとつ、別の思いもあった・・・。

ローガンは自分の力を奪ったのはヤシダとのハグだったことに気づき、マリコとともに忍者の隠れ家に向かうが、そこでは忍者たちが全滅していた。首領の青年だけがなんとか息を吹き返したが、ヴァイパーに襲われ、ユキオを連れ去られたことを告げ、マリコの腕の中で息絶える・・・。

ヴァイパーは実験以前からの天然のミュータントで、人の命を吸い取ることで、若さを保ち、生きながらえてきた。ヴァイパーは誰のために行動をしているのか、そして、本当の黒幕はいったい誰なのか・・・ すべては最終決戦の地、浦上天主堂で明らかになるのだった・・・・・・

.

.

長かった。ほんの2時間かけて考えた、浅はかな私なりの起・承・転です。「結」の大筋は本編にちかいけど、もうちょっと捻りがあります。これだけ書いて、ようやく自分だけすっきりしました。これだけじゃ「アクション映画」にはならないけど、ここまで書かないと気が済まないほど、つまらない映画だったわけです。私には。

余談だが、最後の最後にマグニートーと、プロフェッサーXが登場したところだけ、これだけ見られただけで、満足できます。ここだけ★5でもいいよ!

(評価:★1)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ロープブレーク[*] ひゅうちゃん

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。