[コメント] リリーのすべて(2015/英=独=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
お似合いの美男美女夫婦とおもいきや、ドレスやストッキングの心奪われ、初めての女装で、もう最高潮。以下、どっぷり。と、見たままの感想だが、いろいろ疑問も湧く。
「めざめ」たのは「いつ」だったか?、そのストッキングのシーンかと思いきや、実は「もっと前」からだった。いや気づかなかったが、ストッキング履いて「自覚した」のか?そうじゃなかったようだね。
ドレスやウイッグ、「女装をすること」に興味があるのかと思っていた。私自身も一度はそういう格好を試してみたいなんて思ったこともあるし、「長い髪」にあこがれた(メーテルの影響?)
でもそうじゃなく、こころが「女性」である、という「トランスセクシャル」だったということで、初めて性転換をした「実在の人」のストーリー。
ここまで書きながら、実はわが文章はすごく取り留めがない。なんというか、うまく映画を自分の中に取り込めていない。どちらかというと、リリーよりも、ゲルダの苦悩のほうに共感したし、トランスが理解できないのではなく、「リリー」が理解できていない。
印象的だったのは「画家」として描く「絵」。アイナーの描く「デンマークの風景」は、それ自体が自身の起源。その絵には心魅かれる。ゲルダは、画家としてなかなか認められないから、夫に対し劣等感を感じていたが、図らずもリリーをモデルにした「Danish Girl」が評判になったから、ちょっとだけ有頂天になる。しかしだんだんそのリリーとの距離に悩む。
映画として、楽しめたかといえば、なかなか微妙だ。リリーのヴィジュアル。最初はまあまキレイに仕上がったかな?と思ったが、やっぱり細身のレッドメインといえど「首太っ!」って思ったら、どうにも女性に見えないのに、パーティーシーンで、なんだか「注目の的」みたいだったから、「んなアホな」みたいな気になった。ただ、そのシーンで声をかけた男は、実はゲイで、リリーを「男だと」、あるいは「アイナーだと」気づいていたってのは、ちょっとずるい。
ところが、終盤のデパートで働くシーンなどは、目が慣れたのかもしれないが、なんか違和感なく見ていた自分がいた。不思議だ。首、やせた?(太るのがいや、みたいな会話があったね)
比較で出した『彼は秘密の女ともだち』は、どちらかといえばコメディではないにしても、だいぶユーモアたっぷりに描かれている。監督はオゾン。ここで出てくる「ヴィルジニア」は、女装をしているが、セクシャルは「男」。主人公の女性クレールが、急逝した親友の夫を訪ねたら、女装して赤ん坊をあやしていた・・・っていうお話。「女っぷり」はリリーの勝ちだが、映画としてはこっちのほうが面白かった。「さすがオゾン、さすがフランス映画」って思った。
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