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[コメント] さざなみ(2015/英)

月曜日、舞い込んだニュースの後で、「私がそばにいるわ」とばかりに夫の手を握り見つめる妻。そのあとに続く少し長めの沈黙。ここで私はランプリングに心を奪われた。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







曜日ごとに段落が区切られ、一度波立った妻の心の波紋は、大きくなるばかりで、消えることがなかった・・・。美しい映画じゃないですか。

「君と出会う前のことだから・・・」「そうよね」といいながら、ここでも少し長めの沈黙。

木曜日、屋根裏で見つけた、45年間ずっと隠された「彼女」。写真に写る「おなか」。嫉妬、落胆、怒り、驚愕、疑惑、喪失、いろんな激情の波がケイトの瞳に焼付いた。

土曜日、結婚45周年のパーティー。合間に一人きりの時に見せる「思いつめた表情」。45年の長さ、それが現実ではなく「まぼろし」であるかのように。

実はここでの解釈は、他のコメンテーターの方と異なる。私が感じたのは「決別」ではなく、「遺棄」。どす黒い感情ごと、川の底に沈めて、まるで「凪」であるかのように、装う。思い出の「♪煙が目に染みる」のメロディーに揺られて、夫とダンスを踊る。しかしケイトは、だれにも見えない「仮面」をつけて、心に流れるナミダを隠した・・・。

いろんな解釈もありだと思いますが、月曜に恋した私は、土曜にフラれた気がした。

ひとつだけ、妊娠していたカチャ。その子供はどうした?(1)産んだ。(2)堕胎したか、流産した。(3)妊娠したまま山に登って、そのまま遭難した。一番ありそうな(2)が想像しにくい展開だったので、(3)だったのか?ありえないかな?

(評価:★4)

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