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[コメント] 沈黙 -サイレンス-(2016/米)

「点数をつける」という評価に迷う作品。第一印象は「リーアム・ニーソンが、ずいぶん久しぶりにアクションじゃない映画に出てる」でした(そこかい!)。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
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外国人監督の撮る「日本」の映画、というのには色々ビミョーなものも多いので、大丈夫なのか?と思っていましたが、監督がスコセッシ、原作が遠藤周作というだけあって、「半端」じゃないものが出来上がったと思います。特にこの「およそ一般受けしない」内容の難しい話を映画化しようとしたスコセッシ監督の「熱意」がなければできなかっただろう。

私はその原作の存在も、過去の映画の存在も知らないので、単独の作品として鑑賞。予備知識も「隠れキリシタンの話・・・」ぐらいにしか知らなかった。予告含めて2時間50分もあるので、「長くて退屈だったらどうしよう」と危惧していたが、スクリーンに釘付けの時間でした。ただ、さすがにエンドロール途中で、迫りくる尿意に負けて退出してしまったのは残念です。

出演は「アメージング・スパイダーマン」こと、アンドリュー・ガーフィールドと、「SW7」のカイロ・レンこと、アダム・ドライバー。それに「戦わない」リーアム・ニーソン。やっぱりこの人は、「ちゃんと演技で魅せることができる人」なので、こういう役は大歓迎です。

で、このキリシタン弾圧の話というのは、見ようによっては「ホロコースト」的な印象を受ける方もいるのではと思う。ただ、劇中では「踏み絵」などをクリアしてしまえば、かなり寛容な印象を受けた。「それができない」ということに、信仰心の薄い今の多くの日本人は「なんで踏めないのか?」が不思議に思えるし、信仰に厚い欧米などの方々が見たら、「なんという屈辱なのか?」とか思ったりするんでしょうか?

いずれにしても「宗教」というものをテーマにすると、いろいろな物議をかもす事もあるのでしょうか?全米の興行収入でも、アカデミー賞のノミネートでも、芳しくないようです(撮影賞のみ)。

ポルトガル語だといいながら英語劇なのは仕方ないけど、日本人俳優も多く出演。窪塚演じるキチジローに、「なんなんだコイツは」と思ってしまうのは、正しい感想なのかな?そのほか、浅野、尾形はさすがです。最近恋愛映画に引っ張りだこの小松菜奈も、数少ない女性陣の中で、目立ってました。あと、片桐はいりが出ていた気がするんだが。

(評価:★4)

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