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[コメント] 未来よ こんにちは(2016/仏=独)

アスファルト』『母の残像』に続き、今年はまだ3月なのに、三作目のイザベルの主演映画鑑賞。もっとトキメく映画かと思った。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







長年連れ添った夫に、突然に別れを告げられ、病気の母を亡くし、子供は巣立ち、「気がつけばおひとり様」という予告編での謳い文句ですが、おひとり様ってこういう事をいうのだっけ?

そうはいっても、主人公はあまり変化をしていない。周囲の変化にも、いつも良く言えば「自分らしい」まま。それが魅力的かは別だが。

お気に入りの教え子ファビアンと、もっと深い仲になるのか?とも思ったが、男女としても、教え子としても、距離は縮まる事はなかった。もちろん横に彼女がいるんだから、当たり前だが。また他の山荘の連中とも、距離を置いていた。

そういえば、知人は出てきたが、ファビアン以外に「友人」は出てこなかった。彼女は夫と別れてから、いつも一人ぼっちだ。その一人ぼっちを受け入れるしか選択肢のない話の中で、気になるのは、元夫。彼は娘から問い詰められるまては、妻と別れるつもりはなかったのでは?と思う。ラスト近くで家の中で暗闇の中で、妻を待っていたシーン。「復縁」とまではいかなくても、妻と、家族との繋がりを失ないたくないのは明らかだ。孫が生まれた場面もそうだ。

でも、妻はもう、何の未練もない。暗闇の中で待つ元夫は、無粋な侵入者でしかない。「鍵を返して」と何の躊躇いもなく言えるのは、もう繋がっているものが何もないから。だから元夫が恋人と歩いているのを見ても、嫉妬の欠片もなく、「あらまあ」と笑って見送れた。孫が生まれた場面もそうだ。この二人の「絶望的なまでの温度差」は計り知れない。その時に、娘が泣き伏したのは、それを感じとったから、責任を感じたのではなかろうか?

それでも、不意に込み上げる孤独の淋しさに、猫のパンドラを抱きしめるしかない。いったいこの映画の中で、何処にこんにちはと言える未来があるのだろうか?

やるせない映画だ。

(評価:★3)

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