コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016/米)

この映画を見た後、グーグルのストリートビューで「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見た見た。何の変哲もない港町でした。うちの近くの幡豆港とそれほど変わらない?(あんなおしゃれな高校はないが)。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その普通の港町を舞台にした、「過去に苦しむ男」の話だ。ほかの映画と違うのは、苦難の末に「乗り越えた話」は多いが、「乗り越えられない」話だということ。世の中、みんながみんな前向きでポジティブという訳ではない。主人公のリーは、抱えられぬほどの十字架を背負って生きている。

印象的だったシーンは、事件のあと、警察署での事情聴取のあと、警官の銃を奪って、自殺をしようとしたシーン。あそこが一番心が揺さぶられた。罰してもらったほうが救われる魂もあるのだと。

といっても「面白い映画」というわけでもない。リーはひたすら仏頂面。心を閉ざしたまま。一つ引っかかるのはリーの「気の短い」的なシーン。ボストンでも、マンチェスターでも、バーで他人に「わざと」殴りかかっている。そのほかのシーンを見る限りでは、「そんな男に見えない」のだが、酒のせいなの?酒のせいにしてほしくはない。

甥のパトリックに関しては、父の「死」を受け入れているのだろうが、あまり悲しみ?を表に出さない。悲しむだけでなく、自分の今後の身の振り方がきまる大事な時期に、女の子との二股遊びに精を出す。「冷凍チキン」に反応したが、リーの「感情を出さない」とは違う、「素直じゃない」のだろうか?それとも「感情の出し方を知らない」のか?

とても静かで、ゆったりとした映画だが、結末の選択は、すこし面食らった。「乗り越えられない」からといえども、「養子」という選択が、最善とは思えないのだが。だから、この作品がオスカー「脚本賞」を獲得したというのに、やや疑問が残る。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)pinkmoon[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。