最初、この映画の予告編を見たときに、セロン演じる『アトミック・ブロンド』みたいな映画かと思った。だから、ジェニファー・ローレンスは、セロンと比べてしまうと、まだまだ「女っぷり」が足りないから、物足りないんじゃないか？と思っていた。

そしたら、いやいや、なんとまぁ重厚な映画なんでしょう。あちらが生身での肉弾戦の「スパイアクション」ならば、こちらは駆け引きや演技で心理戦で勝負の「スパイサスペンス」。ジャンルが全く違うと感じた。そして「女っぷり」も、そして「演技力」も、セロンに引けを取らないよ。

10年ぐらい前に『あの日、欲望の大地で』で、セロンの少女時代を演じたローレンス。こうして比較するのも、同じ役を演じた縁、または同じ素質があるのでしょうか。

そしてベテランのアイアンズ、ランプリングが実にいい味をだしてる。

養成所で、ランプリングに「服を脱ぎなさい」といわれ、ドミニカが躊躇している横で、黙々と服を脱ぎ、そしてまた「服を着なさい」といわれるまで、丸出しだった俳優さん、根性あるわ。ジェニファー・ローレンスもだが、俳優って大変な職業だなあ。