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[コメント] 君の名前で僕を呼んで(2017/伊=仏=米=ブラジル)

観客は女性がほとんど。ちょっと肩身が狭かった。(『彼の見つめる先に』のネタバレもあります。)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







時代も変わる。こういうテーマの映画が普通に公開され、オスカーにもノミネート、あるいは受賞もする。女性客のほうが抵抗なく見られるのかも知れない。あるいは「BL」的な見方をしている人もいたかも。ラストでグッときて泣いている女性客がたくさんいた。きっと少年エリオに感情移入したのだろうか?決して少年のガールフレンドのマルシアの気持ちに寄り添う人はいないわけではないが、少数派な気がする。(余談だが、パンフレットが売り切れで、入荷するたびすぐ売り切れているらしい)

では、男はこの映画をどういう見方をすればいいか?なんて考えるのはつまらない。ありのまま一本の映画として見て、楽しめばいいと思う。

少し前に見たブラジル映画『彼の見つめる先に』は、全盲の少年と、彼の世話を焼く幼なじみの少女。その二人の関係の間に、転校生の少年が入り込んでくる。気がつくと全盲の少年は、転校生を「見ている」事に気付き、傷つく。そういう「三角関係」のような映画。それと違い、この映画はあくまで「ふたり」の映画。そして両親も寛容だし、マルシアも「エリオの見つめる先に」いるのは自分ではないのを、敏感に感じとっていたと思う。

オリヴァーを演じたハマーは、「アメリカ人」という記号に見える部分もあったが、「魅かれるくらい洗練された大人」としても説得力はあったと思う。エリオを演じたシャラメ君は、キレイな男の子だ。「魅かれる」「憧れる」感情をよく表現できていたと思う。ただ、「元々そう」だったのか、「オリヴァーだから」なのか、ちょっと気になります。1つ気づいたのは「男の子の友達」がほとんど登場しなかった。どうなんですかね。

「ひと夏の恋」なんて安っぽい言葉にするとつまらないが、恋と、憧れと、性欲と、楽しい事に、純粋に「熱をそそぐ」、少年らしい素直な感情に、気持ちを寄り添う事ができれば、映画として成功だと思う。これをオリヴァーの側から描くと、結構生々しい話になってしまうから。

(評価:★4)

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