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[コメント] ダウンサイズ(2017/米)

「人は小さいサイズになることで、幸せになれる」という「SF的映画」と思いきや、かなり違った展開へ。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭から、主人公が妻に逃げられ、独りぼっちになるあたりまでは、「SF映画」でした。ディックや星新一あたりがそんな話を書いてもおかしくない。

ところがクリストフ・ヴァルツの知り合い、アジア系の義足の女性と知り合ってから、そこで「普通のドラマ」になる。「小さい世界」の中だけで話が閉じてしまう。その世界の中だけでも、もちろん貧富の差などの社会問題も生じ、それはそれで面白い部分もあるのだが。

そして終盤は、ヨーロッパの「最初のコミュニティー」の所へみんなで出かけるが、もうそれは「カルト」の世界。「そんな映画なの?」といろいろ疑問に思った。もう一種の「世紀末的宗教」。

私のイメージしていたのは、例えば「大人間」と「小人間」が争うような話。税金の負担額で揉めて、いろいろな資源を大人間が占有してしまい、小人間たちが困るとか。輸送、物流などは大人間の物を共有しているのだが、協力を拒否したりとか。あるいは、家族間で大小に分かれてしまい、我が子を小さくするかしないか争ったり。他にもそういう「揉めるタネ」なんていくらでもありそう。「小人間の存在は、神の意志や倫理観に反する」といって、小人間を抹殺しようとするテロリストが現れるとか、「人種差別」的な社会問題に発展したりとか。

あるいは、突然病気が蔓延し、大人間が全て死滅してしまい、そうなったときに、小人間たちだけで生きてゆけるのか?とか、成功したと思ったダウンサイズ化が、癌のリスクが通常の300倍とか、一年で5センチずつ大きくなってしまうとか。あるいは雨粒などは通常サイズなので、普通の通り雨も「集中豪雨」になってしまい、小人間の中で「ノアの方舟」の選別が行われるとか。

そういう、SF的な視点からのストーリーを期待していたのだが、結局小人間である事が活かされていない話。そう思うと肩透かしだ。この話を受け入れることができるか否かによって、評価は変わるだろう。

(評価:★3)

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