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[コメント] 銃(2018/日)

ガキさん(新垣里沙)が出てなかったら、絶対に見に行かなかった映画。映画は虹郎君の一人称で進んでゆくから、結局ほかのキャストはあまり出番はなかったが。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







終始「半笑い」の虹郎君。これはトオルという主人公の人間性なんだろうか、あるいはこれが虹郎君の「素?」なんだろうか。主人公目線で物語を見ながらも、その心に寄り添えない。合コンで知り合った「トースト女」を抱きながら、急に親しくなったユウコ(アリス)とも手を出そうとする。今どきの若者らしいのか、なんだか知らないが、今の私には判りません。

そのなかで本題の「銃」。一般の人間がそんなものを手にしてしまった時の「どうしていいか判らない」感じは少し伝わった。たとえば誰にもしられずに「毒」を手に入れてしまったら、自分はどうするだろう。「憎いアイツ」とか「嫌なヤツ」とかを、それで殺してしまおう?とかきっと想像してしまうだろう。幸いなことに私の手には毒はないし、殺したいヤツもいないが。

殺したいヤツがいない男が「銃」を手にしたらどうするんだろうか。自分の手の中に、他人の命を奪えるものがある。そういうときに生じる「好奇心」「優越感」をむき出しに表現していた。そして猫。そこから物語は乱高下する。

刑事の登場。追い詰められていく男。そして隣の女。隣の女(ガキさん)に自分の境遇と重ね合わせて、「殺したい女」を生み出した。銃を手にしなかったら生まれなかった感情だろう。そして物陰から銃を構えるが、構えるが、引金に指をかけるが、その「あと一歩」は超えられなかった。

ところが、電車での出来事で…。そこでモノクロからスクリーンが紅く染まる。その一瞬だけを描きたかった映画なのかな?

キャストは、リリー・フランキーがやっぱりすごい。場の空気を一瞬で変えた。広瀬アリスは昼ドラ「明日ピカ」のときからしたらうまくなったが、ヨウコという女性はよく判らない存在だった。お目当てのガキさんは「あれだけ」だったので残念。病室の実父は「実父」なのか?と思ったら違った。「電車男」だったみたい。そのなかで、ほぼ裸で頑張ってたトースト女の日南さんは熱演。

(評価:★3)

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