[コメント] 喜望峰の風に乗せて(2017/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
世界一周の単独無寄港ヨットレースに出場した、ただの営業マンを演じる男コリン・ファース。爽やかなポスターに、爽やかな邦題に。過酷ながらも爽やかな映画を想像していたら、まったく思わぬ展開に。
早々と、船体に穴が開き、浸水してばかりのヨット。もう行けないと思った時の「選択」がこの映画のポイント。
まだアフリカ沖にいるかいないかの時。進んでも「破滅」、戻っても「破滅」。その時の決断は「偽装」でした。のろのろから、突然スピードを上げた(様に連絡をして)、世界一周をした(ように偽装して)、大西洋の中で時間をつぶして、他の参加者がゴールをした後に、しれっと「キセル航海」で最下位でゴールをすれば、航海日誌を調べられないから、バレない、という「選択」。つまり「喜望峰の風に乗ってなんかいない」。
しかし、神様はその欺瞞を許してはくれない。他の参加者がリタイアしてしまい、しれっとゴールできない状況に追い込まれてしまった・・・・。
そして、無人のヨットが発見され、偽りの航海日誌が発見される。ドナルドは自殺したのか、海に落ちたのか?わからない。もちろん実在の事件で、途中のドラマは脚本の物語だが、およそそのような結果だったんだろうというのは想像に難くない。
「成功者」の話はたくさんあるが、こういう話はある意味映画になるのは珍しいかもしれない。残念な気持ちと、追い詰められた男の最期の決断と。自分だったら、チキンだから最初から航海には出ないが、なぜその決断をしたのかという「決断」のほうも、向こう見ずなんだね。
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