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[コメント] 希望の灯り(2018/独)

主人公のフランツ・ロゴフスキ、若いころのホアキン・フェニックスにちょっと似てますね、上唇の傷までも。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語は物静かにすすんでゆく。どか〜んと大きな事件が起きるわけではない。いや、クリスティアンの昔の仲間が登場したあたりで、なにか「不穏な空気」が流れるが、そこはそのままスルーしていった。

クリスティアンの考えていることは、あまり判らない。「見て判ること」は、首や腕や背中にタトゥーがあること。そしてそれは「見せない方がいいこと」。毎日出勤して、青いジャケットを着て、通路をフォークリフトで移動して、深夜にバスで帰る。

「負け組」の旧東ドイツに生きる人々が、そっと寄り添うように働くこのマーケットは、ほんのりと人のぬくもりを感じる。その中でトラックドライバーだったブルーノは、ひとつひとつクリスティアンに、フォークリフトの使い方と、このマーケットでの働き方を教える。そして、一渡り教えたところで、彼はあることを実行する。瓶ケースを束ねていた「ひも」を大事にとっておくようにという。その「ひも」を使ったんでしょうか?

原作小説は2010年に刊行された『夜の灯りと』のなかの『通路にて』。旧東独の「負け組」たちの12の物語のうちの一つらしい。登場人物たちはみな孤独を感じている。そんな者たちがまるで家族のように寄り添うマーケットは、彼らの帰る家の灯りのようだ。

(評価:★4)

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