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[コメント] トールキン 旅のはじまり(2019/米)

少年たちの友情、そして恋、それらを引き裂く戦争。とてもいい素材が揃っているのに。それなのに、それが「トールキン」の為人に結びつかないんだな。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







指輪』『ホビット』の作者トールキン、その少年期、青年期の物語。それがどう「名作」へと結びついてくるんだろう?と楽しみにしていた映画でした。

名家の少年たちと貧乏人トールキンとの友情。同じ後見人の元で暮らすエディスとの恋。その瑞々しい若者たちの物語、そしてそれらを闇に落とす「世界大戦」。そしてその先にある「名作たち」へ、どう結びついてゆくのか?「そこ」を楽しみににしていたのですが、なんか違った。

トールキン自身の描き方が「言語の天才」の部分がクローズアップされていた。それを元に、教授に懇願して奨学金をゲットしたのは判る。しかしその学生時代では「ストーリーテラー」としての片りんは、微塵も感じられなかった。

そして戦争。彼は「上官」扱いで、「サム」という名前の一般兵士のおかげで生き延びた。それまではしっかりと「足手まとい」になっていたみたいだ。その戦場の描写は、爆炎、毒ガス、そしてドラゴンの如き火炎放射。それが「指輪」の世界観へと結びついた、と言いたかったんだろうが、それを私の脳内で補えるほどのイマジネーションを、この映画からは感じられなかった。残念です。

そして戦場で親友を探すのだが、その「親友」にあまり私は「親しみ」を感じなかった。誰だっけ?3人の親友の「描き分け」にもっと時間を割いてもよかったかもしれない。

戦場から生還したトールキン。そして親友たちの死を知るのだが、「一人生き残ってる親友」をもっと効果的に出演することができたはずなんだが、なぜかそのシーンはなかった。

わりと「大人たち」はみな説得力のある演技をしていた思う。そして、「サム」という名前は、「指輪」で登場するサムからとっているのは間違いない。そのモチーフとなった兵士がいたのか、あるいは「指輪っぽい」部分を出したかったための創作人物なんでしょうか?

(評価:★3)

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