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[コメント] 燃ゆる女の肖像(2019/仏)

女性の、女性による、女性のための映画。男の出番は全くない。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女性画家マリアンヌが、孤島を訪れる。貴族の娘エロイーズの肖像を描くため。この時代、「女性の肖像画」は、結婚相手に送るお見合い写真のようなもの。望まぬ結婚を控えたエロイーズと、彼女に内緒で肖像画を描くマリアンヌ。冷たい表情の肖像画は満足のいく仕上がりでなく、絵をだめにしてしまう。この時代の女性に出来ることは少ない。結婚することだけしか選べないエロイーズ。マリアンヌも画家だが、男性のヌードは描けないとか、絵を売るためには父親の名前で出品しなければならない。

そして、母親が5日間の留守になる。そこから二人は「鬼の居ぬ間に」親密になる。召使のソフィーも堕胎をする。大きく物語が動く。その映像はとても美しい。特にエロイーズのドレスの裾に火が燃え移って、「燃ゆる女」になった時の映像は、本当に美しい。そして、お互いに心を開いてから描かれた肖像画も、寝顔も、28ページの絵も。(あの脇の下に付けてた謎の瓶の中身は何?)

彼女たちの「つかの間の自由」はすぐに終わりになる。肖像画はミラノへ贈られる。エロイーズの着た白い衣装は「花嫁衣裳」的な?暗闇にその姿がボヤ〜っと現われる様はホラー的だ。

そしてその後の再会が語られるが、「昔描いた、燃ゆる女」の絵は、いつどういう理由で描いたのか、ちょっと説明が欲しかった。劇場の場面で「彼女は私の方へ視線を向けなかった」時に、彼女の周りに空席があった。本来そこに居るべき同伴者が居ない。それはエロイーズの結婚生活の状態を表しているのかな?

そして、私は気持ちを置けないんだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ペペロンチーノ[*]

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