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[コメント] パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019/仏)

なかなか「香り」というのは、「映画向き」ではないのですが、この映画の中からは、いろいろな「匂い」を感じることができました。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







名声を失った天才調香師と、不器用だが誠実な運転手。境遇の違う二人が出会ったときに、そこに新しい香りが生まれる・・・みたいな、キャッチフレーズのようなストーリーは、見ていてとても心地よかった。ここに変な恋愛を絡めようものなら、途端につまらなくなっただろう。

香りを失った調香師、失った分を「ことば」が補っていたので、香りを感じることができました。

登場人物は少ない。アンヌのエージェントは、映画では憎まれ役になってしまったが、彼女なりにアンヌを支えていたと思う。ギヨームは不器用で、娘が何より第一。ありがちなアンヌとのケンカの後、それでも真面目に仕事をする彼に、アンヌは少しずつ心を開く。彼に嗅覚の才能があるのは驚いたが、結果、爽やかな香りを残したまま駆け抜けた。素敵な映画です。

しか〜し、邦題にうるさい私としては、「センスのない邦題だな」と思わされた。私が選ぶ「ありがちな邦題キーワード3」が「NY」「パリ」「幸せ」。そのうち2つも使われている「実に安易な邦題」と思った。おまけに「調香師」と「香り」という「言葉かぶり」もある。せめて主題か、副題か、どちらか一つだけなら、まだよかったものを。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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