傑作である。 この映画を一言で言ってしまえば「母親が子供を守ろうとする思い」というテーマに見せかけ、 実の所「復讐者のたった一つの思いをかなえる」為の物語である。

映画を見たものならば感じるだろう婦警の扱いや、主人公と娘の末路はまさしくそれを 裏付けており、その視点から見れば主人公も娘もただの道具でしかないわけで すべてのつじつまが合う。（ただ、後味はものすごく悪い）

このようなストーリーの救われなさだけが本作の魅力であるはずも無く、 大きな魅力としてやはり闇の時間に発生するクリーチャー達を上げない訳にはいかない。 おぞましいほどの圧倒的暴力を振るう三角頭やら無数に湧き上がる甲虫もどきなど、 悪夢の具現化以外に言葉が無く、あのサイレンが聞こえた時の絶望感たるや、 見る物をげんなりさせるほどに最高。 （もっとも真に恐ろしいのは狂信者達の行動であったりするのだけれど 　その辺りはロメオゾンビをちょっと思い出した）

本作を見る前からジェヴォーダンの獣の監督と聞いて以来、雰囲気はまちがいなく よいものが出来てるだろうなと思っていたけれど、まさかここまでとは。 今年のホラー映画の中ではかなりの傑作だと思います。

蛇足になるけど実の所、ゲームには興味があったがプレイしていなかった。 （大抵の筋は前に見聞きいたので知ってはいた） よって、ゲームとは違う云々の意見はない。 ただ、少し気になったのは何故、化物たちが教会内に入る事が出来なかったのかがわからなかった。 ひょっとしてこの物語の裏には邪神と死神の葛藤とかそういったのがあったのだろうか？