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[コメント] メトロポリス(1927/独)

破壊神マリア。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ネオン光の下で享楽を貪る地上人も、機械に支配され爆発寸前の怒りを溜め込んだ地下の人間も、とにかく狂気に満ちている。ひとつの機械によって世界が破滅していくという意味では、恐ろしく先見性に富んだ筋書き。その後に和解が待っているということでは、一見地獄(ヘル)の使者かと思われながらも、その実彼女は浄化をもたらす神であるかのようだ。

躍動する映像の圧倒的な強度、さらには未来都市の構図が、ほぼ完成形に近いと思われるところに驚く。後のSFに与えた影響は疑いもない。しかしラングの描く未来世界は光と影の扱いからしてひたすら悪夢的。さすがはドイツ表現主義の雄。この映画が多くのSFの原点だとすれば、始まりは悪夢だったのかぁと、少々肌寒くもあり。

本来なら5点付けたいところですが、展開が上手くつながってないところがあるのと(編集が原因か?)、ラストの安易さが気になって結局4点。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ぽんしゅう[*] [*] Santa Monica けにろん[*] ちわわ tredair[*] はしぼそがらす[*] ボイス母[*]

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