シュールとも言えるコントラストの妙。この絵は結構好き。それから夜の森のシーン。必死の逃走にも関わらず、それがあまりに終始安定して流れるような動きのカメラを通すと、追っかけっこしながら戯れているように錯覚しそうになる。ある意味シュール。

多分意識的にだと思うけど、本家とは真逆のアプローチ。本家のもはや笑うしかないほどの理不尽な展開の恐さに比べて、こちらはかなり計算に則った作り。乱暴に言ってしまえば、この映画が規則的なのに比べて、本家は「変則」しかないのだ。

ビデオクリップ畑の人だからかどうか分からないけど、映像や音の処理に安定したリズムみたいなものを感じた。スターターのオン、オフを始めとして、静、動のスイッチの切り替えに一定したリズムを感じる。ということで、そのリズムに乗れれば乗れるほど、全然恐くないという皮肉な結果に。

でもあえて違うものを目指すその心意気は買いたい。

(2004/11/26)