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[コメント] 飛ぶ教室(2003/独)

時代の波にもまれても良いものは残る。という意味では、あえてこのようなアプローチを選択したことは間違ってはいないと思う。とはいえ、どうにも締まらないラップまがいはどうなんだろう。物語のクライマックス的に。
くたー

マルティンやマッツが、ほぼ原作のイメージどおりの子役だったことは嬉しかった。ただ、マルティンが家に帰れないエピソードが省かれてたのは、かなり残念。あれがなければマルティンの魅力の半分も伝わらないと思うのだけど。

ベルリンの壁崩壊以前以後を背景にしたことで、ところ変わればいろいろ事情も変わるワケで、エッセンスを殺さずにいかにその背景に物語を嵌め込むかということの苦心が覗われ、またそれがある程度成功していると思う。

実は個人的にケストナーという作家は、どう評価していいのか、未だによく分からない。イヤな大人は出てこないし、どーのこーの言って子供はみんな可愛い。でも、純粋に子供向けの児童文学かと言うと、物語を魅力的にしているのはあくまで大人の目から見たノスタルジックな味わい、のような気もする。ただ、この作家の楽天性というか、表面上の無邪気さからは、理屈ではない切実な願いが伝わってくるので、そこが好きだったりもする。ということで、冒頭にあの「忘れないでほしい」という序文を持ってきているあたり、作り手側もこの作家の視点をしっかり押さえていると思う。

(評価:★3)

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