[コメント] 下妻物語(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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その失ったカケラを見つけたからといって、もう嵌め込み方すら忘れてしまったし、強引に嵌め込もうと思っても、ココロもカラダも拒絶反応示すばかり。それはお互いが、お互いの手を借りなければできないこと。「借りは必ず返す」というイチゴの口癖を聞きながら、「もう充分返してあげてるよ」と、そっと耳元で言ってあげたかった。頭突きが飛んでくるかもしれんが(笑)。
表向きのツクリモノ感と、「昔むかしある所に一人の女の子が・・・」なんて風情の深田恭子の(少々毒の入った)語りが、何やら童話でも読んでる気分になった。甘〜い菓子の匂いの中に、時折牛の糞や原チャの排ガスが混ざる、相当にキッチュな童話だけど。でも童話には必ず大切なモノが入っているんですネ。そして、作り話の中だからこそ、一層ホンモノは輝きを増すのかも。乱闘が終わった後でイチゴが「たった一つの真実がたくさんのウソに説得力を持たせたんだよ」みたいなことを言ってましたね。きっと監督が作りたかった映画が、まさにそれだったんだろう、と思う。
(ここからは余談デス)
実は、友達の一人にまさに下妻在住の男がいまして。しかもバリバリの元ヤンで、今は汗水垂らして工場で働いています。毎日のように上司にケンカふっかけている、なんて喜々としながら語ってて、コチラとしては内心(ヤベー上司大丈夫かよ)・・・てな感じなんですが。
でも彼、そのスジのご他聞に漏れず非常に情が厚いです。マジかよ・・・と思う位ブ厚いです。そして、とても寂しがり屋なんです。表向き肩肘張ってますけど、いつも遊ぶと家に帰りたがらないんです。「朝までイクよー」なんてやったら一人で張り切ってて、も一人の友人と二人で少々困り気味になってたんですよ(ちなみにも一人の友人は奥多摩から来てマス)。でも、コノ映画を観てて、どうしようもなく胸が苦しくなりました。
幼い頃に両親が離婚してて全然どちらの親にも顔を合わせてない、とかいう家庭の理由も無きにしもあらずですけど、そんな彼があんなひっそりとした駅に着いて、一人で暗くて誰もいない畦道をトボトボと帰る姿を想像したら、もうなんだかタマラナクなってしまったのです。都内10時前に出なきゃ終電間に合わないし、朝になればも少し人出てくるもんね・・・。
そして同時に、いつもウキウキしながら、なかなか来ない列車をあのベンチでずっと待ち続けてるのかと思うと、さらにタマラナクなります。毎回毎回必ず誰よりも早く待ち合わせ場所にいるよね・・・。遅刻しがちな自分に「おっせーよ!」なんてイライラしてたけど、そんな時自分軽くお茶濁して済ませてたよ。ホント気をつけるよ。そして、オールはさすがに年齢的にツライから(汗)、一緒みんなでカプセルってな辺りで勘弁ね。
[4.5点]
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