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[コメント] ショーン・オブ・ザ・デッド(2004/英)

言いたきゃハッキリ言っちまおうよ。なにもロメロ氏も「オレに黙って勝手に使うな!」なんて怒りゃしないから、さ。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ということで、ふと興味が湧いてゾンビの語源をウィキペディアさんで調べたら、ブードゥーだったんですね。てっきりロメロ氏の命名かと思ってた(無知丸出し)。ついでにそこに続く説明によると、その昔「ハイチでは貴重な労働力として農園で使われてた」という記載があり笑った。何気にこの映画のラストに一脈通じてるぢゃないですか。つーか、あれだけロメロゾンビのお約束をいちいち律儀に踏襲しときながら、空々しく「名前はNGよ」ってアナタ・・・笑った。

脱力感とブリティッシュなヒネた笑いのブレンドは、腹抱えて笑うというよりはゆるーく肩をすくめながら笑いたいノリ。決して嫌いではないですが。んでもって、話の大筋はダメダメな主人公が頑張って活躍してハッピーエンドみたいな、至って何の変哲もない展開のように思えますが、結局はハリのないマンネリ生活を推奨してるんですよ、この映画。「素晴らしき哉、ゾンビのような我が日常」とでも言いたいんでしょうか。

そこでちょっとばかし穿ってみたりすると、例のシーンでゾンビのフリして窮場をしのげたのは、なにもゾンビがバカ丸出しだったからではなく、ショーンたちの生気が薄かったからじゃないのか、なんて思ったり。さらにはラストの夢の(?)共存ですが、あれは人間がゾンビを手なずけたのではなくて、実はただ単にゾンビが生気の薄い人間になつきはじめただけだったりして、とか。

さらには、笑うごとに体の力が徐々に奪われていくテイストなんぞも含めて総括すると、もうこの映画の裏テーマは「世界総ゾンビ化計画」なんぢゃないか、なんて妄想が少々暴走気味に。まあ作ってる側にそんな気負いあるハズないですけどね。でも、意図しないトコロにも、知らずと「意味」が紡がれていってしまうのが、ゾンビ映画の尽きせぬ魅力だとも思うのデス。

正直言って、映像(特に編集)センスは少々MTV臭を感じてしまって、それほど良いとは思えませんでした。が、ここまでゾンビへの尽きぬ愛情を(幾分はにかみつつ)表明されると、ゾンビ好きが4点以上つけたくなるのも分かります。表向きは斜に構えてケナし半分に見えますが、実はロメロゾンビに相当律儀に敬意を表してます。ロメロ監督が悪い気するハズがありません。[3.5点]

(2006/10/30)

(評価:★3)

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