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[コメント] バタフライ・エフェクト(2004/米)

重ねるごとに胸に空いた風穴が徐々に広がる、何とも空しさのつのるタイムスリップ。要はこんな話なんでしょか?→
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「そもそも出会ってしまったことが全ての元凶」。・・・遣り切れないというよりは、そんなこと言ってどうするの?ってな感じです。表向きどうであれ、人との出会いを意味あるものにするのは、当人の心次第でしょ。要は本当の意味で運命に立ち向かってなどいなくて、自分の脳内に引きこもって勝手にもんどり打ってる男なのですが、付けた決着がこんな後ろ向きなのかよ、とかなり萎えました。せめて最後の最後で新たな形で二人の出会いが用意されてて、「結局会うべき人にはどう転んでも会えるものだよ」と締めくくってくれれば、少しは話の印象も良くなったかもれしないけど・・・。

「映画史上最も切ないハッピーエンド」なる謳い文句には、どうしても一つ言わずにいられません。冷静になって考えてみて下さい。主人公もヒロインも、そこまでお互いがお互いのことを好きだったんでしょうか。状況によってくっついたり離れたり、じゃありませんか。ただ一度付き合いが成就したパターンが、主人公があの胸クソ悪くなる連中に囲まれて、上っ面だけの派手な生活を謳歌していた(おそらく)ケーハクこの上ない男だった時でしょ?そんな男に何も疑問を持たずくっついてるヒロインは、若さゆえなのかもしれないけど、どうしても魅力的だとは思えないんです。どーでもいい男とどーでもいい女の話としか思えないんです。

ついでに言うと、何よりも一番嫌いなのは、主人公が身障者になったケースの偽善に満ち満ちた展開。本当の意味での「思い遣り」というものがどこにもないと思うのです。観てて本当に胸がムカムカします。映画の作り自体は決して嫌いじゃないです。というよりも、禁じ手や不自然さを強引に押し切って、とにかく面白くしようとヤリたい放題ヤリまくられると、むしろアッパレとも思うワケです。でもそのせいか、何か大切なものが置き去りにされてしまった気がしてなりません。という心情的な意味合いを込めて、2点。

(2005/12/13)

(評価:★2)

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