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[コメント] unknown アンノウン(2006/米)

どっかで観たような変化球ばかり。でも、いっくら変化球ばっか放ってきたところで、どーせ直球投げたところでヘナチョコなんだろうなぁ、ということは案外容易に想像できちゃうもんです。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







もうしまいには呆れて「落ち着けよカメラ!」、と一喝したくもなります。

編集も然りで、最近のサスペンスが安易に飛びつくモチーフとして「記憶」というものがありますが、「記憶」には「断片の繋ぎ合わせ編集」という発想自体が、もうそろそろ風化してきてやしませんかね。更にこの映画の頭の悪いトコロは、断片にする必要のないシーンまで切り刻んでパズル遊びに終始していること。なので、編集の本来の「意味」というものがロクに効果を発揮しなくなるのは、至極当然のことかと。もういっそのこと(記憶のシーンはともかく)カメラを据えっ放しにして、登場人物たちをあえて放置する位の胆の据わった演出が観たいのです。その効果はハネケ映画が実証済みだし。

内容に関するダメっぷりはぺペロンチーノさんが細かく言及しているので、一つだけ。記憶を失くす原因をワケの分からんガスで説明しちゃっているトコロが、もう致命的にダメ。この幼稚さ、安直さ加減だけで、全体も知れるというもんです。こちらを唸らせる程のアイディアが思い浮かばないなら、いっそのこと「説明しない」位の胆の据わった姿勢を押し通して欲しいのです。「理由を明かさない」ことの効果も、これまたハネケが実証済み。

ともあれ「もし〜だったら?」という、流行り(は少し過ぎたかな?)のシチュエーションサスペンス。でもifという仮定は、何かを導き出す(あるいは導かれるのを期待する)ために冠するワケで。そして、この映画の場合のifに必要不可欠な数式にあたるのが、「人間をしっかり描く」ということ。申し訳ないけど、ダメの烙印を押させて頂きます。

(2007/7/6)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペペロンチーノ[*]

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