コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 獄門島(1977/日)

のっけから不吉な死神役を買って出る金田一先生。しかし実際には、コメディリリーフがかなり幅をきかせている。石坂=金田一と上條恒彦の無精髪対決も楽しめます。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







楽しいには楽しいけど、今回はちょっと遊び過ぎ。結末を「悲惨な女の半生」で過去作と合わせるのは良いけど、そこに至るまでの本筋のドラマが十分に醗酵してないので、ただの取ってつけた符号になってしまっている気が。あんな役に司葉子が甘んじている時点でネタが割れてるんだから、もっとしっかりしたキャラクタリゼーションを施さなきゃダメでしょ。少なくとも『悪魔の手毬唄』のリカ=岸恵子のキャラ造詣の妙には遠く及びません。

ただ、横溝作品の中でも一際派手な装置や背景が特徴の原作を、上手く視覚化しているとは思いました。毒々しく狂い咲く三人娘に、娘道成寺の舞台と怪しげな呪術、果てには海賊まで登場。あくまで背景の彩度を抑えた『悪魔の手毬唄』とは好対照。さらには配役の妙と、役者一人ひとりの演技も楽しめます。登場するや否や一気に場をさらう太地喜和子(大原麗子なんて形無しデス)のアクの強さも楽しいし、草笛光子の胆の据わった演技も迫力あり。普通ならこの二人の配役は逆のような気もするけど、あえて逆にしたことでオリジナルな面白さが出ている、気がしました。

(2007/3/18 再見)

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。