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[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)

工夫を凝らしたカメラ・アングル、劇中の時間の一致。正義云々よりも描き方のウマさに一票。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オモシロイのは名前を伏せて番号しか振られてない12人に、最初の内は匿名である事に偏見のない人選を感じつつも、話が進むにつれて個々の性格や偏見がクッキリ見えてきて、名前の代わりにその偏った個性で一人一人が見分けがついていくこと。人選に偏見がないことが中立を保つとは言い切れない、そんな事を考えさせられる秀逸な脚本。民主主義への皮肉でもあるんですかね。最後に3番と8番が始めて名乗りあうシーンも感慨深い。心が通い合って初めてお互いの名前に興味を示す、印象深い描写。

どうも話の展開が上手い具合に進み過ぎる気もするが、この映画の焦点はあくまでも少年を無罪にしたという結果にあるのではなくて、12人の男の奮闘振りにあると思うので、それもアリではないでしょうか。所詮人間自体が完全な存在ではないので、ましてやヒト一人の命がかかってるんだから、やれるだけのことはやりましょう、という監督の謙虚なメッセージ。不完全な人間だけに、ヒトを裁くってのは難しいですねぇ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (11 人)Orpheus makoto7774[*] スパルタのキツネ[*] あき♪[*] 緑雨[*] 甘崎庵[*] グラント・リー・バッファロー[*] [*] 24[*] あさのしんじ tredair

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