平面的なキャラが多いだけあって、ロンとハーマイオーニの魅力的なキャラ作りが余計際立っていた。

ロン君は多くの子供たちにとっての、等身大のヒーロー。屈折する要素はたくさんあるのに、よくも頑張ってまっすぐ育ってるもんだと、オトナたちから見ても思わず応援したくなってしまう。勇気も優しさもピカいち。

ハーマイオーニはオトナたちからみても、こんなに成熟して良いのだろうか、と思える位にオトナなキャラ。天才ではないって自分で分かっていながら、自分のできる範囲内で一生懸命ガリ勉やってるなんて（しかも天才に対してまるでやっかみみたいなのがないし）、オトナでもなかなかそんな割り切り方できないだろうに。でも秀才やってるのが自分だし、周りから人がいなくなろうがそれが自分とばかりに、トイレで泣きながらもせっせと頑張っちゃう。何だかひたすらいとおしい。

ハリー君はまだ自分の新しい世界の中で、これからの自分を見つける最中とはいえ、キャラはちょっと曖昧。でも素晴らしき友人二人が頑張れるのもハリー君の友情が大きいワケで、多分どの一人が欠けてもダメな関係なんだろうなぁ。魔法学校の生活も楽しそうだったけど、それ以上に三人の影響し合う友達関係がオトナとしてもうらやましい・・・。願わくばあの小憎ったらしいいいとこの坊ちゃんも、もっと魅力的に描いてくれれば、なお良しだったけど。

全体で見ると説明が欲しい部分が結構多い筋書きだった。原作が未読なので、皆様のコメントを拝見して、端追ってる部分が多いことを知り納得。ただ未読なだけに、期待しなかった分結構楽しく世界観を堪能できました。

ホントのところは3.5くらいなんですけど、周りに子供がいっぱい見に来てたにも関わらず、途中で飽きて騒ぎだす子供もほとんどいなくて、みんな満足そうに映画館を出てったことに敬意を表して４点。あの長丁場を考えると異例といってもいいのでは？