★5 | 恋愛適齢期(2003/米) | よき時代の古い名画を見ている趣があった。脚本と演出とそして何よりも二人の達者な演技が映えている。ラストでは泣かせるなあ。加点しちゃいました。テーマ自体は新しいものではないんだけどね。心の映画にしちゃったところが憎いよ。 | [投票] |
★4 | 長屋紳士録(1947/日) | 小津の原型があらゆるショットで見えている。話の展開も、和製チャップリンだ。人間の情愛をたっぷり描いて、ラストに感動をギリギリまで持ってくるその脚本、演出はサスガ。これほど素晴らしい映画だとも思わなかった。傑作です。 | [投票] |
★4 | 鏡獅子(1935/日) | 歌舞伎の組み立て方、表現方法など菊五郎ならではの取り組み方から入ってくれているのがとても分かりやすく、むんむん芸術を感じた。演技そのものも素晴らしい出来。完璧ドキュメント。 | [投票] |
★3 | 突貫小僧(1929/日) | かなり明朗快活のコメディー。筋は読めるが楽しいね。小津の幅の太さを垣間見る。 | [投票] |
★3 | ケイナ(2003/仏=カナダ) | 珍しいヨーロッパアニメ。ゲームっぽい肉厚ぶりの顔でちょっと僕は引いちゃった。色も、ほとんどセピア色でちょっぴり欲求不満。異文化を見たようなアニメであった。 | [投票] |
★3 | 花とアリス(2004/日) | うーん、岩井の映画好きなんだけどな。桃色の基調に少女二人の愛の冒険。自由すぎて、30年前のATG映画を見ている気がした。まとまりきらない話と少女・少年たちの茫洋な気持ち。蒼井のガムテープで作ったシューズで踊るバレエ。スゴイ美しさ。 | [投票(3)] |
★5 | 卒業(2002/日) | 何のてらいもない、シンプルな心だけを見つめたこういう映画大好きです。堤うまいな。内面的で、抑えた演技、映像全体を盛り上げた。内山も勢いがいいから、いい画面になった。赤い傘と雨と心の残像がしばらく残っています。 | [投票(4)] |
★4 | 朗かに歩め(1930/日) | 外国映画を見ているようなモダンな映像。センスの固まり。小津にしては珍しい楽しい映画だ。ゴルフまで出てくるもんね。この時代の苦しい生活感がないのがかえっていい。ダンディー、すこぶるかっこいいねえ。 | [投票] |
★3 | クイール(2003/日) | 淡々とした描き方。決して誇張のない自然な奏法は好感が持てる。どうぶつが人間に対して生きてゆくために犠牲を施すということの意味を考えてしまった。盲導犬のことが分かっただけでも収穫だ。いい映画だと思う。 | [投票(2)] |
★3 | 学生ロマンス 若き日(1929/日) | やはり当時の生活スケッチは貴重だ。しかも、モダンなスキー場でのお話。ニコニコして見てました。75年前の映像なんですよ。すごいよ。昔は意外とコミカル撮ってたんだ。 | [投票(1)] |
★3 | 東京の女(1933/日) | 緊迫感のあるショットの積み重ねはさすが見事。小津は人物と同様何気ない風景、部屋の片隅、小物を映し、新しいリアリズムを創出するのがうまいが、それが無数の時計の振り子に出ている。恐ろしい光景だ。ただ、この映画はストーリーがいかにも唐突で批評に至らない。 | [投票] |
★2 | 春の惑い(2002/中国=香港=仏) | 古典を映像化しているような緩やかな流れ。この手の心の移ろいを描くには、ビジュアルな、或いは演技派の俳優をそろえないと2時間持たないですよ。女が昔の男に言い寄る場面では不快感さえ覚えた。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 草ぶきの学校(1999/中国) | いい映画だ。子供を大事にする心が前面に出て素敵です。自転車へのあこがれ。そのあこがれの少年が家の凋落で学校の門で売り子を。そんなこと日本でもあったなあ。ノスタルジーですね。どんどん心が離れてゆく子供に是非見てもらいたい。 | [投票(1)] |
★4 | K−19(2002/米=英=独) | 危機とはいえ、いちどきに同じ方向を見た男たちの強い絆、その熱い心に気持ちよい涙が溢れる。苦難の時、同じ時を共有したものだけが分かる素晴らしい人生の糧。一つ間違えばミニタリズムだけど、ぎりぎり男たちの挽歌にした。秀作。 | [投票] |
★5 | カオス・シチリア物語(1984/伊) | タビアーニの集大成映画といっていいほどの出来だ。生きることは地獄。月夜の狼男まがい。つぼの禅問答のような滑稽さ、その後民衆革命へと。墓さえ持てない人民の、土と革命と死。そして、ラストは死へのいざないと流れゆく過去の時間。素晴らしいの一言。 | [投票(1)] |
★2 | 詩人の恋(1998/香港) | ある芸術家のお馬鹿映画。また、ラスト近く肝心なところで説明過剰。映像で表現しろ。香港がこういう映画を作っててはいかん。今じゃ日本でもこの手のイメージフィルム映画は作ってないぞ。 | [投票] |
★4 | 小早川家の秋(1961/日) | 小津の映画では珍しく色濃く出るテーマ_死。倒れてからはその怖さがにじみ出る。ひょっとして初めて、自分のための映画を撮ったのではないか。中村鴈治郎、浪花千栄子の芸人としての素晴らしさ。国宝級だ。 | [投票(3)] |
★3 | ギャンブル・プレイ(2003/英=仏=カナダ=アイルランド) | ニール・ジョーダン期待したんだけどなあ。凡庸のクライム映画でございました。女優は魅力あったけど。
最近のこの手の映画では、あっと驚く仕掛けが当たり前なので、肩透かしの感。
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★2 | 赤い部屋の恋人(2001/米) | ホント退屈でしたよ。ポルノっぽくしてるけどそうでもなく、お金で契約した男女に愛が生まれるわけがないでしょう。年寄りじゃあるまいし、設定が安易過ぎるよ。愛は、どこにでもあるよ。(ないけど。) 愛と程遠いお金を対極に持ってくる神経がワカラン。 [review] | [投票] |
★3 | 小津と語る TALKING WITH OZU(1993/日) | 小津へのオマージュ。実際恋文、淡き恋語りなのだ。小津が普遍的で、簡潔な文体であるからして、逆に世界的な巨星になった所以だろう。我ら日本人が一番そのことを知らない。 | [投票] |