人民軍、連合韓国軍、アメリカ軍を解体した人間同士の触れ合い、ユートピア村の人々とのつながり、その演出力はきわめて優れている。

撮影も立派で映像もきわめて優秀で美しい。ただ、スローモーションの多様はちと鼻につくところもあったが、まあ許せる範囲。

やはり心に響くその思いは人間同士が殺し、殺される仕組みはいかにも簡単で、理不尽なものでしかないということであろう。こんな簡単な思惑で人間は戦争に狩り出され巻き添えを食って死んでしまう非戦闘人間たち､､。

全体にからりと明るく優しいトーンであっただけに、その人間の哀しみは強く憤りとなって観客の心に残る。

それはすなわち現在も休戦状態である朝鮮民族の問題でもあり、痛烈なアメリカ批判となって映画は花火のように見事出演者が散華していくのである。見事な人間賛歌、痛烈な反戦映画である。