年齢が若いと言っているのではない。このプロットで一本の映画を作ろうとするのなら、劇映画では甘すぎると言っているのである。

ドキュメンタリー映画では映像で人生の一部を切れ端にすればいいのでしょうが、映画はテーマを煎じ詰めて一本の映画に構築しなければならないのである。

それを、森の奥深くに彷徨する二人のあの行動だけで表すのは浅すぎると言うか、映画そのもへの肉付けが足りないように思えます。

こんなもので、人間の生と死が描かれるのなら映画作家は古今問わず苦労しなかったと思います。

でも、ファーストシーンからの野辺送りなど映像はとても秀逸で、カメラワークに酔いしれたのも事実です。河瀬監督にはこの賞を機にさらに羽ばたいてもらいたいですね。