[コメント] ダウト あるカトリック学校で(2008/米)
人間の奥底に漂う疑惑という概念より、俳優たちの火花のような演技を見る映画だろうか、構成が舞台劇的でシンプルということもありどうしても関心がそこに行ってしまう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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たまたまカトリック教会が舞台だということもあるが、こういう疑惑というものはわれわれ日常世界にたんとうずくまっている。夫婦間の会話におけるそれ、会社のちょっとした仕事上のミス等々私たちは日常的な疑惑に囲まれながら生活をしているのである。
疑心暗鬼。真実はその際関係ない。疑惑から生まれる怪物こそが太古の昔より現代にかけて問題なのである。こんな単純なテーマを、だからこそ現代に生じさせるべくジョン・パトリック・シャンリーは映画として僕たちに提供するわけだが、イラク問題があったにせよ、でも何と単調直入過ぎる描き方ではないか、とも思う。
たとえば古く黒沢が『羅生門』で描いた輻輳的な表現とは対照的である。どちらもテーマとしては同一である。真実が一番意味がない、ということですね。映画ってホント面白い。だから日常僕たちがテレビというメディアを通して伝えられるそれなりの報道も僕たちの審美感によるところが大きいのである。
それにしても、3人の演技合戦は聞きしに勝るものがあります。ニヤニヤしながら拝見させてもらいました。ひょっとしたらそういう意味でオタク映画かも、、。
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