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[コメント] ROOKIES -卒業-(2009/日)

原作のマンガもテレビも見たことのない我輩が映画開始後の5分後から、この異様な情念の世界にどっぷり浸かってしまい、終始号泣する羽目になってしまった曰くつきの映画であります。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







全くなあ。考えられなかったです。この感動感というべきか湿っぽさというべきか胸に詰まる何ともいえない若者たちの心情が、この我輩のような年寄りにごっつん勝負でぶつかってくるなんて、誰が考えたであろうか、、。

そりゃあ、一つ一つのシーンでいかにも当人の心情を漫画チックに実際の時間より長く描写した部分は映画的にはほめられたものではないが、そんなことはこの映画の前では全く問題にならない。

大切なのは今現代に生きている青年たちの心の拠り所を、きっちりと正確に、真実の心で描き切ったところだと思う。寄る辺ない彷徨う青年たちは実は何か生きる糧を模索しているのだ。夢の果てに何があってもいいのだ。夢なんか、シャボン玉のようにすぐ消えてしまうものかもしれないけれど、それでもあるとないのとは全然違う。

夢を実現しようとする、その気持ちこそが重要なのであって、夢自体は大空に漂う雲のように、実はつかめるものでもないのだ。

そういう青年たち、その瞬間を生きているものたちだけが知り得る何かをこの映画は僕たちに教えてくれる。この映画の前では、映画批評なんか要らない。批評しようとするそういう気持ちは不遜でさえある。

この映画を作っているときの、スタッフ、キャスト、そして球場のエキストラで寒さに負けないでこの映画を守ってくれた人たち、すべての気持ちの総意がこの映画に熱気を与え、それは全篇、むんむんと溢れさせている。ものすごい映画だと思う。僕にとっては思いがけず、今年一番の号泣映画になってしまいました。こんな僕に、少しでも青春に立ち戻らせてくれた、この映画に携わった人たちに感謝します。

(評価:★4)

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