[コメント] 悪の法則(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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一挙趣向の違った問題作をぶちまけたのではないだろうか、、。
そう、この映画はなぜだか、こうなってしまうというカフカ的不安映画ではあります。でもそのバックには思想的なものは皆無だ。ただ設定としてそうしただけのように思える。R・スコットの甘いところではありますネ。
けれどこれがなかなか面白い。俳優陣が今までのイメージを投げ打って演技的役柄を選択しているのも面白い。
たとえばハビエル・バルデムとペネロペ・クルスは実夫婦である。それを知ってか、ペネロペ・クルスはミヒャエル・ファスベンダーと冒頭でベッドシーンを演じファンをやきもきさせる。クロスはなんと最後哀れな亡骸を映画ファンに見せてしまう。これはスゴイと僕は思う。
対するあの恐ろしき風貌のハビエル・バルデムがなんと今回は普通の男を演じる。怖くてただ逃げ回る普通の男。「ノーカントリー」とは全く逆の設定である。
キャメロン・ディアスもこれまでのチャーミングなイメージを投げ打って、全身の血をどこから測っても100%の凄み悪女を演じる。これがなかなかいい。面白いもんだね。もう賞味期限切れの女優だと思っていたのに、まだまだ頑張っている。
プラビもラストでなんとも情けない殺され方をする、プラビファンが目を背ける役柄を選んでいる。最近彼はこの手の作品が多いけれどね、、。勇気が要ると思うよ。
そして主役のミヒャエル・ファスベンダーは結局話を進める役柄というか、黒子ですなあ。だから彼には名前さえない。
別に哲学的な作品ではないですよ。スコットのお遊びと利益追求姿勢がこの作品を作ったんだと思う。
けれど、エンドクレジットが出てからの観客の席の立つのが早かったこと。これが僕には一番印象に残りました。やはり映画ファンは残酷ですなあ。
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