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[コメント] 楽隊のうさぎ(2013/日)

中学生の長ーい日常。新一年生。クラブ勧誘。不安とときめき。そういう時代だったかなあ、もう50年ほど前のことだからだから感覚さえつかめない俺。けれどこの映画はまさしく少年少女の生きる息吹が、その確かな息遣いが静かにこちらに伝わってくる、、。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たいして事件が起こるわけではない。イジメもそれほど深刻なことはない。誰かとラブラブになるわけでもない。性の興味が旺盛なはずなのにそれにも触れない。多少フルート奏者への気持ちが見えてはいるが、、。でも成就しない。(よくこういう映画では題材になりそうな)両親が不和だということもない。家が貧乏だということもない。特に落ちこぼれということでもない。

そう、そこらどこにでもいるフツーの中学生の眼から見えた光景がそこにあるだけの映画なんだ。そこにあるのは主に吹奏楽団の日常だが、かといって特に感動的なことがあるわけでもない。過ぎゆく中学生の2年間の、誰もが持っている日常。ただそれだけ。

でもそれが大したことなんだ。フツーの日常をただ見せてるだけなんだけど、それが見事少年少女の人生になっている。そして2年間ではあるが、小さな移り行く歳月をリアルに映し出している。

時々出てくるウサギの意味は僕にはわからないけれど、その単調なテンポに躍動感を与えているのは確かだ。単なる思春期の成長物語ではないと思う。その時の空気をまっすぐに見据えた骨っぽい映画だと思う。

(評価:★4)

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