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[コメント] 君とボクの虹色の世界(2005/米)

「いつ包帯を取るの?」「わからない。痛みが消えたら」
Lostie

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「あと15秒、このままでいて」

・・・良い。『となりのトトロ』的な音楽も、正直、良い。安いドラマで女が男に抱きついて、泣きながら「お願い。もう少しだけこのままでいさせて」とか言っちゃうようなシーンの一種とも思えるかもしれないが、ちょっと違う。抱きつきもしなければ(結局ラスト抱きつくけど)、涙も流れない。接着剤が固まるまで、押さえているのである。それも、一人で出来ることをわざわざ二人で。・・・嗚呼! 良いなあ。

このミランダ・ジュライって人は変わってる。長編デビュー作で、主演(にほとんど近い形で出演)もしてしまう女性監督って。そんな人が世界に何人いるかな。かと言って、コスナー的なナルシシズムを炸裂させているわけでもなく、(役者としては)ちゃんと「歯車」のひとつに徹している。ディレクションに専念すればだいぶ楽になるだろうに、それだけ思い入れが強い役だったのかな。まあ、役者としても良かったけど。泣き叫びながら車の窓に"FUCK"と書くシーンで、「あれ? もしかしてヘタか?」とも一瞬思ったが、そもそも感情を表に出すのがヘタな女性の役なので、ギリOK。

(『パンチドランク・ラブ』までの)PTAとか、ソフィア・コッポラとか、ミシェル・ゴンドリーとか、あと誰だ・・・、『ゴーストワールド』の監督とか、「こういうセンス」を振りまく映像作家には、個人的には才能を感じると同時に少なからず「不信感」を抱くのだが、今回はそれが全く無かった。(邦題以外の)全てが愛しい、と言っても良い(一応言っておくが、「スカトロ趣味」は無いぞ)。

しかも、1時間半の短さである。『マグノリア』の半分の時間でこの「満腹感」は何だ。信じ難い。

とにかく、このミランダ・ジュライという人にはついていくことにした。"Forever."

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)レディ・スターダスト ぽんしゅう[*]

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