その「愛」も、その「闘争本能」も、「何故なのか」が描かれていなさすぎ。実力派俳優陣の上にあぐらをかいているか、もしくはそもそも才能が無いかどっちかだろう。ぶっちゃけた話、ハルクの風貌ぐらいみんな知ってんだから、しょうもない「かくれんぼ」ごっこをグダグダやる時間があったら、その時間を人物描写にまわせよ。

超人対半超人という構図の「第2ラウンド」だけは小錦対舞の海みたいで正直好きなのだが、ハルクがブロンスキー（ティム・ロス）を蹴り飛ばす際にイマジナリー・ラインを無視するなど、ここでも腹を立たせてくれる。

「第3ラウンド」でCGという所詮アンリアルなアトラクションに、"Give me a REAL fight!"などと簡単に吐かせるデリカシーの無さも、いつもなら許せるんだが、ちょっと今回はイラッときたな〜。

だいたいアン・リー版がウケなかったからって、再映画化にルイ・レテリエって。別に『トランスポーター』とか大嫌いってわけでもないけど・・・、ねえ？