[コメント] 3時10分、決断のとき(2007/米)
マンゴールドは間違いなく実力派。だが、欠点がふたつだけある。
ひとつは華の無さ。これに関してはクロウがさすがのカリスマ体現でクリア。無味無臭な感じになりがちなベールも、今回はクロウに負けず劣らずの「良い匂い」を放っていたと思う。片足が壊れた男を見て、『コップランド』の片耳が壊れた主人公を思い出した。マンゴールドはこういう「何かを失った人間」を描くのが上手い。
もうひとつは役者の顔面に寄り過ぎること。気を抜くと、いやむしろ気合いが入れば入るほど、役者の表情に魅せられ、引きずり込まれ、カメラが寄ってしまう。時にそれが良い結果を生むこともあるのだが、基本的には改善すべき悪いクセだと思う。で、この点がクリアされていないので★5まではいかない。(場面転換の目的以外での)ロング・ショットや、気持ちの良い風景ショットがいくつあっただろうか。ただ、被写界深度のコントロールというか表現は興味深いものがあった。
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