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[コメント] 空飛ぶゆうれい船(1969/日)

アニメにおける戦車の圧倒的な描写において押井守を凌駕し、その直後のシーン(原画担当宮崎駿)において『ガメラ3』に先行し、メディアによる大衆支配テーマにおいて『ゼイリブ』に先行した先駆的作品。
ジョー・チップ

ゴーレムが出現する瞬間の冷酷とも言える距離感。一見してそれが何なのか識別できない。だがそれと分かった時、民衆に致命的な一撃が加えられる。映画は「体制」とは如何なるものなのか、このシーンで示唆しているのだろう。

子供の観客に真顔で「体制を疑え!」と説いたその糞真面目さには敬服せざるをえない。

隼人少年がTVで真相を語ろうとすると、ボアジュースのCMが入って妨害するシーンには心底ゾっとする。

悪の側は強大かつ茫漠として底が知れず、対抗する善の側の方は孤独で醜く、心に深い傷を負っているという設定は石森章太郎の生涯のテーマを踏襲しており、子供には難易度が高い。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64 ペンクロフ[*]

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