コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] シルミド/SILMIDO(2003/韓国)

確かに東映マークが良く似合う映画だ。皆、顔で自己主張している。70年代東映映画だったら、隊長(丹波哲郎または小池朝雄)、第三班長(菅原文太)、第一班長(松方弘樹)、脱走した人(川谷拓三)チョ軍曹(室田日出男)といったところだろうか。
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







深作監督が『バトル・ロワイヤル』で描きたかったのはこういうことだったのか、と思わせる、クライマックスの訓練兵対指導兵の殺し合い。国家と部下の狭間で隊長は自ら命を絶った。苛烈な権力組織の中にあって本来の「個」を確立するためには死ぬしかなかった、という逆説的な事実。隊長の死に様がその後の彼らの行く末を暗示していた。

「人間として生きる」「人間として死ぬ」とはどういうことなのか?久しぶりに考えさせられた。国家によって使命を与えられ訓練に励んでいた時と、国家に反旗を翻してソウルに突進している時と「生きる」という点で同じなのか?ラストシーン、人間たちは一冊の文書と化し、保管されたロッカーは徐々に古びていく。生きていたという事実すら無いことにされたということ、これこそが本当の「死」なのだと感じさせた。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (6 人)アルシュ[*] ハム[*] すやすや[*] ごう[*] IN4MATION[*] かける[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。