基本的にドラッグをクールに描く姿勢というのが、酷く嫌いである。虫唾が走るような思いがする。さて、この映画はどうだったか。私が感じた、あくまでも私が、感じたものは、「汚い、気持ち悪い、吐き気がする、こいつら馬鹿」これである。そういった意味では、私には大きな意味がある。「絶対にこんな風にはなりたくないな」という、この感想を与えてくれただけに、その点には当たらないのかと。

ドラッグはやったことはない。しかし、私はアル中である。いや、医者に診断されたわけではないが、多分アル中なのだろう。自制出来ていない。浴びるようにという訳ではない。慢性アル中。もう飲むの止めようと思いつつ、気づくと毎晩飲んでいる。肝臓が悪い。肝炎にはなっていないが、脂肪肝という診断はされている。胆嚢ポリープもある。ほぼ１年前に診断してもらい、そのことは知っている。数年前に、血液検査で肝臓が悪いことがわかってから、ずっとほったらかしにして、飲みつづけ、さらに数値は悪化した。自分の身体に良くないことはわかっている。でも飲んでいる。今日も飲んだ。

俺は、こいつらと同じだと思った。馬鹿だね俺。酒いいかげんにやめよう。俺は死にたいのだろうか。いや、違うと思う。酒だけが人生だと思っていた時期もあった。就職１年目なんてのは、死ぬ程飲んだ。記憶が飛ぶことも多かった。今は違う。そういった意味では大分ましにはなっているのだが、毎日飲むというのは肝臓に酷く悪いらしい。週に２〜３日は休むようにしないと。まず、毎日じゃなくていいから、週に４日は酒を抜こう。出来る筈だ。とにかくやめよう。そう思った。だから、★５なんじゃないかと思ったの。

でもね、もう一度よく考えてみた。作り手は、そういったドロドロした、「汚い、気持ち悪い、吐き気がする、こいつら馬鹿」と思わせるように作っていたか。いや、これ考えた時点で失敗だったのかもしれないけれど、私が感じたのは、いいやカッコ良く描いてるなという感覚。

そして、禁断症状の描写をもう一度思い起こした。そして思った。短い、短過ぎる。んな簡単なのか？ 充分に気持ち悪い描写もある、けど、よく考えると「気持ちイイ」の描写の方が腐る程多くないか？ あの注射を打って、恍惚とした表情を浮かべる瞬間を私は、「気持ち悪い」と思いながら観た。しかし、普通はどうだろう？ 主人公への共感というプロセスを経るならば、一緒に恍惚とする、いや若しくは「気持ちよさそうやなぁ〜」とか。

ラストのちょっと前、奴は２発も打つ。一度止めていた人間が、２発打って、、もう戻るでしょう。元の状態に身体は戻っている。そこで、何故、、何故だろう。「俺は更生するんだ」っていうノリで、金持って逃げる。クスリってのは、んーな甘いもんじゃない。そんなに簡単に足洗えるか？ やったら地獄の世界だぞ。こいつぁおかしいぞ。いやまてよ、そもそも最初からこんな奴等と付き合うなよ。そもそも自分がいけないだろ。今更いいとこ取りなのか？ 暴走続が卒業して「よかったよかった、これで立派な人間になれるね」って言われた時と似た感覚かもしれんな。最初からんなことすんじゃねーよっていう。

さて、この映画が、私にとって、★５でもあり★１でもあるということが明らかになったところで、、まぁ自分が持つ感想ってのとはあまり関係ないのかもしれない…が、この映画が多くの人に影響するであろうことについて考えるに至り。

「あぁ気持ちよさそーだな、俺もやってみっかな」と思う奴が絶対にいる。この映画はそういう人間を生むだろう。そう思える。

「そんな馬鹿な奴はいないよ」と思う人も多いだろう。少なくとも、ここにコメントを書けるような、健常な生活を送っている人にはいないだろう。この映画を公開時に観て、「俺もやってみっかな」と思った人たちは、今ごろ路上に倒れているか、禁断症状で死にそうになっているか、なんとか更生したか、、あるいは、やる程の度胸がなかったか。いずれかであろう。

…しかし、、この映画が私に与えた★５的部分もあるだけに、、★１とも付け難く、、★０とするのはもう止めようと、思い。。結局★３