前作『ターミネーター』は、残念ながら劇場ではなく、テレビでの鑑賞。かなり面白かったので、これは劇場に観に行かなくてはと思っていた。 私よりも一足早く劇場へ観に言った友人は「面白かった、まぁストーリーは言うと面白くなくなるから、見に行け」と言ってくれた。なんとも良い友を持ったものだ。

何も知らずに劇場へ行った。当時のＣＭも、旧式のターミネーター（T-800)を生産するラインを映し出すというものであった。まさか、シュワちゃんが善玉だとは、ちっとも思っていなかった。ポスターも、T-800の目が赤く光っていた。「また奴がやってくる」といわんばかり。前作以上に激しく戦闘が繰り広げられるのかと思っていた。

ゲームセンターのバックヤードでのT-800とT-1000が出会うシーン。「うぁっ！！ 殺られるっ！！」と思った。花束を落とし、踏み潰す足、、、ジョン！！ 逃げろっ！！！

あ、、あれ！！？？？ え！？！？！？

何がどうなったのか、わかったのはダンプが橋から飛び降りて、ジョンを追跡するシーンの半ば頃。それほどに衝撃を受けた。「せ、、設定が、、変わってる！！」

開始早々のどんでん返しのようなショックを与えられてしまった。。後はもう、グイグイと引き込まれていってしまった。細部にわたるまで、前作の設定を上手に生かしている。例えば、前作ではガソリンを満載していたタンクローリーが爆発するのだが、今回は“液体窒素”。「液体窒素」と出てしまう字幕が憎い程だ。製鉄所の職員たちは、ガソリンがぶち撒かれたと思うから逃げていくのだ。観客だって、気を抜いてみていれば、「液体窒素」の文字は見落としてしまう（が、字幕が助けてしまっている）。。（余談だが、劇場では私よりも年上の男女が後ろで「アレ、何でああなるの？凍ってるの？」「んー、何でかな」とか言っていた。アホめ。）

これがまた、二度目の鑑賞、三度目の鑑賞となると、色々細かい部分に目が行く。

どうしてもこの最初の「騙し」に目が行ってしまうが、、

シュワルツェネガーが悪役だと最初から知って（しまって）いた人は、知らないつもりで良く観て頂けると良いと思う。T-800の登場シーンなどは、前作に重なる部分などもあり、暴力的に衣服を奪って行く。バイクも強引に暴力で奪って行く。

一方、T-1000の方はと言うと、警官を「気絶させているように見える」のである。このシーンでは、あの金属音を使っていない。観客を騙そうという意図がしっかりとある。そこが良いのである。後に出るT-800の科白で「通常コピーされた人間は殺される」というのがある。これを知ることにより、あの警官は殺されたのだということがわかるが、最初のシーンでは、気絶させて、衣服を奪い（というか、善玉と思えば拝借した・・・のか）、パトカーを拝借した。。と見える。“衣服を剥ぎ取る様は写さないのだが、拳銃はしっかりと手にとる”というのも、後から考えると良くわかる。衣服は剥ぎ取らずとも、コピーしてしまう。拳銃のような複雑な構造の物は、奪うしかないのである。見事だ。

ジョンはT-1000が警官の制服を着ているだけに、逃げる。なんとも上手く作ってある。細かい部分まで、神経が行き届いている。素晴らしいエンターテイメントだ。

シュワルツェネッガーの筋肉美、パトリックの冷たい表情の美しさ、そしてリンダ・ハミルトンも、逞しく、美しい。

一つだけ残念なのは、ラストの方、T-1000がサラに「ジョンを呼べ」というシーン。T-1000のコピー能力と、声真似（真似ではないが）の能力、性格（？）を考えれば、あそこは一瞬でサラの命を奪い、サラに化けるところであろう。ここは残念でならない、、、が、、サラが死んだ方が良かったと思っている訳でもない。。

最後に、以前書いていたコメントは、その半分以上がシネマスケープの「ネタバレ投票機能」に関する文章になっていた為、映画に対するコメントとしては不適切なのではないかと思い、削除してしまいました。当時投票して下さっていた５名の皆様、突然削除して票を無効にしてしまいまして、済みませんでした。