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[コメント] マイノリティ・リポート(2002/米)

スピルバーグ・近未来なんていったら、この俺が★4以下をつけるという予想は成り立たない訳で。そのあたりはしっかり期待にこたえてもらったのかもしれないけれど、、もしかしたらこの★4っつーのはアマアマすぎる採点かもと思う疑問みたいな→
peacefullife

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







無駄に長いレビューです。ラストのオチは映画本編に似ているような?(いやそれはない)

■2054年という設定について(最初は近い?とか思いつつすぐ解消)

dog year といわれる世の中、そう言えばネットというものが登場してから何年たったろうか。 携帯電話というものが(スーツケース大の大きさで)世の中に登場してから、現在のような100万画素のデジタルカメラが内臓されるようになるまで何年間かかったのか。そのあたりを考えれば、設定的に2054年という数字はさほどの違和感はなかったのかと思いなおした。実際、このコメントを書いた今日、2003年5月28日であるが、、「100万画素のデジカメ内蔵携帯」っていつの話やねん! と思う日は、すぐそこかもしれないのだ

■網膜による人物認識について

街中いたるところにある「広告」。広告が網膜を識別し、個人名で呼びかけるというのは、大変面白い発想だと思った。思わずニンマリ。これは以前から誰かが提案している手法なのだろうか。 マーケティングやDMなどの基本としては、個人対個人という匂い(つまりは個人名をつかった呼びかけ)が効果的なのは基本なのだが(あなただけに教える情報ですよ!と思わせる)、多用しすぎれば麻痺して効果は薄れるわけで。広告を打つなら最低これぐらいはやっておかないとね!という企業の思惑ばかりが先行してしまった状態だろうか。なかなかに笑わせてもらった。 新たな手法として(逆転的に名前を呼ばないで刺激するような・・)「お!そこのにーさん!」とか、「君にはちょっと教えられないんだけど」とか言った広告の打ち方なんてのも生まれてくるんだろうな。そういった近未来体験は大変面白かった。こういった、リアリティのある近未来。好きだな。(古くは『ブレード・ランナー』に見た、荒廃した未来みたいなものでしょうかね・・・ちょっと違うかも)

ちょっと話がそれてしまった。 映画の中で使われる網膜による人物認識だが、どうやら広告やら何やらで網膜を識別されるのみならず、個人情報は警察組織にも筒抜けのようである。犯罪者を捕らえる上では大変効果的なように思えるが、プライバシーというものはどうでもよくなった世の中なのだろうか。。いや、それ以上に疑問なのだが、、なぜ網膜スキャンでしか入れない建物に、犯罪者の網膜で入れたのかということである。常識的に考えて、犯罪者として認識された以上は、そういった施設の入館許可者からは外すのが当然ではないのか? または、そういう施設に入ろうとした際には、1.入り口は開く 2.中に入ると次のゲートは開かない 3.入ってきた入り口も開かない 4.入ると同時に警察への通報が行き、すぐにお縄となる なんてシステムになってて当然だと思うのだが。未来人のセキュリティ感覚というのもどうかしているんではないだろうか。 さらに、目玉を抜き取ってからそんなに長時間にわたって、網膜スキャンが有効だというのもどうなんだろうか。それだったらば、入館できる人間を殺せば、いつでも最高機密のある部屋に入れるということではないのか。それを防ぐためのシステムは当然開発されるべきだろう。。例えば 1.生命の活動があるかどうかの判断(網膜所持者が生きているかどうかを判別する) 2.生体反応のある動体についてはすべて網膜スキャンを行わないと入室できない(入館許可のある者を人質にとるなどの行為の予防) 3.(2に関連して)来客などのある場合には、第三者の立会いのもとで来客者登録を行うなど これぐらいのセキュリティ対策はあってあたりまえだと思うんだが。。。 まだ、トムクルーズが単身乗り込んだ時には許せたものの(たとえば人的ミスによって、施設内の犯罪者登録・入管許可者削除を忘れていたなど)、奥さんが旦那の目玉使って入館した時には「おい、それはないだろう」と思ってしまった。そうでしょ?おかしいってば。そろそろ腐ってくる頃だと思うし。

■生かしきれない伏線

他の方も指摘されておりましたが、「どうなったのあの左目?」ってやつですね。途中警察に囚われるシーンで、彼(トム君)はアガサを左後ろに振り向きながら見るんですが、、あれって左目失明してたら見えないんではないかと。。どう考えても。 となると「失明するぞ!」とか抜かしてたのは何だったんだろうと思えてくるんですね。あれだけ思わせぶりに左目だけ包帯を剥がしたりしたんですから・・・・と、こうやって見た奴が後々楽しめるって言う要素を残したのか!? 「おいおい、あの伏線なんだったんだよ!」とか 「おいおい、あれは一体何だったんだ!?」とか、 見た奴ら同士で話をするという・・・で、、それが狙いだったとしたら怖いな。大体、左目見せる時の心境って、「片目が見えれば英雄だ!!」とかなんとか言われちゃったのが影響とかもしてそうだし、、そうなると後であの目くりぬいたおっさんなんかも出てきたりすんじゃねーか? とか期待するぞっつーの。

途中途中で伏線のように匂わせるようなものをいっぱい用意しといて、そっち系のやつらは満足させる。でも基本は誰でも理解できる程度にとどめておいて、最終的にわかりやすい答えを出してやる。 なんて、、あながち嘘とも思えないような。。顧客の求める映画を世に送るという、そういったシステムが作ってしまった落とし穴なんてあるのかなぁ・・・もっとオタクなものを希望するよ俺は。

■未来予知が人間である点など(擁護する部分など)

未来予知が人間であるというのは、どうなのかということも考えはしたものの、、機械というリアリティのありすぎるモノだけに、信憑性が著しく低下する(特殊能力という、科学の力でははっきりしない神秘があるだけに受け入れられることもあるのではないか)

マイノリティ・リポートというタイトルであるが、、このタイトルだけでは意味不明なのだが・・そ!そうか!「少数報告」なるほど、、未来予知のことだったのか!! と中盤に判明することによって、視聴者の疲れかけた心をもう一度引き戻す効果が期待できるのではないか(おいおい)。まぁ、原作知らんので、私は「ほぉ、そういう意味やったんか」みたいな感じでしたが。。でもあれですか、映画雑誌とか読んでると書いてある情報なのかもね。そういう意味では駄目か・・・(擁護になってない) まぁでも、彼は「マイノリティ・リポート」を求めて頑張り、そして、「マイノリティ・リポート」はないのだ! となるわけですから。。いいんじゃないですか。

■その他笑った点など(つっこみどころなど)

・顔崩れるっておい、またバニラスカイですか?みたいな(でもすぐ直るらしい)

・一番怪しくなさそうな奴(だいたいは味方)が犯人っていうオチはなんとかならんかそろそろ。

・犯罪を犯した人間にしか知りえない情報をつい口走って発覚・・・って古典的かつアホ臭すぎてもうあかんでしょ。

・あの速度で動く植物ってやばくないですか?

・あのプリコグってんですか、、「殺人現場の夢ばかり見る!」とか言ってたぐらい、予知能力が強かったわけですが、、その見る予知ってのは、一都市だけとか、限定できるんでしょうかねぇ・・・。人為的にそれを全米に広げるとか、全世界に広げるとか、そういったコントロールができるよな代物なんでしょうか。例えば一都市に限らないとしたら、、赤玉でも茶玉でも、、もうそりゃ1分おきにゴロゴロゴロゴロ出てくるでしょうし、、「おい、これはうちの町の事件なのか?」とか大もめするかと思うんですが・・・。持っている力が大変科学とはかけ離れた能力のように思われるだけに、それを科学的な力で極端にコントロールするってのは・・出来るんやろか、、なんか無理ありそう。。とか思ってしまったのだった。

■でなぜ★4

いやね、★4なのはやっぱり、2.5時間という長さをほとんど感じなかった点なんか大きいですね。あとは前半の面白さ。なんだかんだいいつつ最後までしっかり見させてもらって、話につっこみ入れたりして終わった後も楽しめたという。これはなかなかな娯楽なんです、あたしにとっちゃ。これは★5とは言えずとも、★3.5+おまけ0.5ぐらいには私としては評価したいところ。

ただ、話として好きなのは、あき♪さんが書いていたようなものだとか、ペペロンチーノさんが書いていたような結末なんてのが好きなんですがね・・・・。

と、まぁ、長々と、どれかが結論に結びつくのだろうか・・・と思わせるようなこと書きつつ、最終的にまとまらず結局こんな感じなレビューなのであった。ちゃんちゃん。(落ちてない)

(評価:★4)

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