[コメント] ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日)
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マスかくな。
この映画の宣伝。舞台が舞台というだけあって少し話題になったが、確かに「断片的な映像」は興味深いものがあったよ。ベッドにポカーンとしながら座るビル・マーレイや、ネオンを眺めるヨハンソンなんかがね。そりゃあ自分も在京だし、東京生まれではない上京者ですから結構惹かれるものがあった。しばしば東京はこの映画のような上辺だけを捉えられて、いろんな例えが為されたりする。
今回、その例えを執り行ったのは外国人である有名監督の小娘。自分は『ヴァージン・スーサイズ』ほど酷い映画は無いと思うのだが、「嫌いこそ好きの始まり」ですから一応鑑賞。そして前言撤回をさせて頂きたいと思う(笑)。本当、この女の映画は性に合わん。むしろ嫌味な「悪意」まで感じてしまった程だ。東京である必要性が皆無なのは皆さんも仰っている通りで、本当に東京を描くのなら「孤独」などという抽象的なもんじゃ駄目だろ。街中の深部まで描く必要があるし、多種多様の東京人を描かないと。東京を引き出すものに「ボブの家庭」「シャーロットの不振」「京都や寺の日本文化」などといったものが登場するのだが、明らかに浅はかすぎる。何をどのように導きたいのか、それが感じ取れない。小馬鹿にするような姿勢が嫌味を生む訳で、この映画はその根本からして間違っている。ある意味、この姿勢を貫いた娘の恐ろしい度胸を買うが……。
それでも★2で留まったのは主演二人の演技力だ。いろいろな賞で受賞されたりノミネートされたりする理由が分かる。特にスカーレット・ヨハンソンの寂しげな表情だけには見とれてしまった。……で、何故にアカデミー脚本賞なの?こればかりは全く理解できんぞー。
娘の次回作はキルスティン・ダンスト主演の『Marie-Antoinette』。題材からして、またしても臭ってきそうな映画になりそうです。
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