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[コメント] ドーン・オブ・ザ・デッド(2004/米)

陳腐な残酷描写の数珠繋ぎでしかなく興奮できない。ロメロゾンビの底辺には、皮肉を込めて「人間を斬る」要素があるのだが、こりゃ単なるアクション。リメイクにそんな概念を抱いてた俺が馬鹿なのか。憂さ晴らしに『ゾンビ』でも観よう…
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







CM出身の新人監督のデビューとしては華々しいかもしれない。スピーディでスタイリッシュな映像の連続だし、観る者を魅了するパワーは感じられる。しかしながら、このマヌケな脚本のおかげで、監督が放つパワー以上の「ゾンビ映画のおもしろさ」が微塵にも感じられなかった。総合的に面白くない映画。

確かにロメロゾンビに固執しなければいけない訳ではない。ただ、普通ならばリメイクの意義にはオマージュやリスペクトがあるはずだ。この映画はショッピングモールという舞台設定やガンアクションを借用しただけにすぎず、オリジナルにあった「サバイバル」「世界の終焉」「不気味なゾンビ」は描かれていない(例え製作者が意図していたとしても、それは感じられない)。対ゾンビの攻防を大前提に掲げているらしいので、これはまさしく『バイオハザード』の二番煎じのような形になってしまっている。しかもバイオ〜のほうが世の終焉を巧みに描写しているような気がしなくもない。

それならば逆にアクションを楽しもうという手もある。見知らぬ男女が出会い、時に罵り合いながら生き抜いていく……のは大いに結構だ。ん、しかし、どれもこれも陳腐だぞ…!?新鮮じゃないぞ!?ゾンビの激走は見逃す(許す)にしても…怖くない!迫力がない!凝られていない!普通すぎる!内臓をむさぼるようなゴアシーンの魅力に欠けているような気がしてならず、本当に肩透かしを食らったような思いだ。

主演のサラ・ポーリーは打って付けの配役だと思うのだが、もっともっと活躍できたのでは。絶望感の掘り下げは甘すぎるし、アクションにおいても地味だ。これは悔やまれる。しかしながら、唯一メキー・ファイファーは光っている。妻の死を目の当たりにし、次第にただならぬ精神になっていくという演技には見ごたえあり。他の面子は特にコメントする必要無し。語る必要も無いほど普通すぎる…感じ。

ロメロにしてみれば、『Land of the Dead』への布石?布石にもなってるか?

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)TOBBY[*] わっこ[*]

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