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[コメント] 8 Mile(2002/米=独)

ラップという文化が自分自身を表現させる。「NO.1を掴み取ってやる」という意気込みは一言では語れまい。あのラストで様々な感情が沸き起こり、エンドロール時、バックに流れるLose Your selfの歌詞を読んでみるとこれ以上ない爽快な気分になれた。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「人生、一度しか訪れないチャンスを逃すな」

普段からエミネムをよく聴く自分はサントラを半年も前に購入。公開の日を待ちわびていた。しかしアメリカ公開から遅れること1年。何故にこんなに公開が遅れたのか疑問だが、やっとこの日がきた!という気分か。前評判が高かっただけに期待もしていた(笑)事実、アメリカでは初登場1位だったそうで。

まずはエミネムの演技。評判も上々だったのでどの程度なのだろう?と思っていたが、正直言って悪くない。ベタ褒めする程でもないが、違和感を感じることは無い。素質は「ある」ということか。共演者には母親役を演じるキム・ベイシンガー。ある意味、この物語の核となる人物なので、このキャスティングは正解。やはり演技派女優を置いただけあって、酷い映画になることもないのだろう(例外もあると思うが)。他にも、エミネムと恋に落ちるアレックスを演じたブリタニー・マーフィー。メグ・ライアンを連想させるキュートな顔立ちが個人的にはツボでヤラれた(笑)。魔性の女な匂いが堪らなかった・・。彼女の今後に期待。

この話、やはり「デトロイト=黒人層=ラップは欠かせないもの」という概念がなければ難しいだろう。感情移入などを読み取るのは困難かもしれない。そういった意味で日本人には辛いのか・・な。自分はエミネムについてある程度の予備知識があったのが幸い。なので、ラッパーをとして成功することを夢見るという理由も説明するまでもないな・・と思った。エミネムが主役なのだから・・と言われると返す言葉はないですが(苦笑

主人公、エミネムはデトロイト出身ではない(カンザス生まれ)。しかしデトロイトにも幼少の頃にすごしている。当時の環境や生活が織り込まれた半自伝的映画。自分をラビットに照らし合わせている。しかしこの映画、白人のラビットが荒廃した黒人層の街に住み、黒人の仲間達とつるみラップバトルを繰り広げる。蔑視な描写が多々繰り広げられているわけではないので「人種差別」の時代は既に過ぎ去り、新たな時代がきているのだな、と思ったのが第一の感想。「白んぼがナメたこと言うな」という表現がされたのは、バトルでのシーンや、パパ・ドッグ率いるフリーワールドのメンバーに報復行為を受けるシーンくらいである。そう、これは「白人が夢見る映画」ではなく単なる「デトロイトの青年が夢見る映画」なのだ。人種云々の話では無い。それとは次元が違う。

一種のサクセスストーリーなのだが、描き方が上手い。設定が設定なだけにディープな展開。改めて、デトロイトの実情(どこまでかはわからないが)を知る。物語の軸となるバトル。これは観ている自分も盛り上がった。一言だけ言いたいのは「バトルというものが、単なる罵り合いではない」ということ。捕らえ方次第な部分もあるが、バトルは自分のスキルを試すと同時に相手をdisり(批判し)、俺は誰にも劣らないという意志を表す場なのだと思う。ラストのラビットには正直に感動。「俺はホワイト・トラッシュ 文句あるか」・・・全てが詰まっていた。

以上、書き込んだことに関しては完璧。しかし腑に落ちないシーンもあった。鑑賞後もその点について考えたがイマイチわからず。まず、アレックスの存在。彼女とラビットの関係は解決したと見なしていいのか?ウインクに寝取られ、その後彼らは互いに中指を突き立てるが・・ピンとこない。彼女の存在は正解だったと思うが、彼女の力によってやる気を起こしたというわけでもなかったので戸惑う。実際、ラビットは自分自身の力でラップバトルの優勝者となったのだから。そして次に家族のこと。家族が良い方向に向いて終わっていない。普通、観ていれば気になるもんだ。微笑ましく描いてほしかったと思う。(3200ドル手にしただけじゃあねぇ〜笑)

というわけで、長いレビューになってしまいました。(下手糞な文章、申し訳ない)。最後に言いたいこと、それは「ラッパー・エミネムのPVではない。熱い熱い半自伝的映画。そして、自らが演じるという妙にリアルな作品だ。」ってなことです。

dope!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(評価:★4)

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