[コメント] 青の炎(2003/日)
母、妹、友人、恋人が隣りに居るのに…少年は苦悩することを繰り返す。たった一人の男性の存在が、少年の歯車を狂わせてしまう。この映画に「一生懸命」という言葉は似合わない。ただ少年は、最後までペダルを漕ぐことを止めなかっただけだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画、(皆さんもおっしゃっていますが)全くと言っていいほど期待などしていなかった。しかし…単なるアイドル映画ではナイ。宣伝にあった「切ない殺人者」である少年の苦悩が、所狭しと描かれている良作だ。
主人公を演じる二宮の演技にも、何かを感じずにはいられない。家族を前にしたときの顔、あの男を前にしたときの顔、恋人を前にしたときの顔、全てが物語るかのよう。素晴らしかった。また、松浦亜弥の少々不思議なオーラを醸し出すキャラクターも、アイドルである本人から受けるイメージと隣り合わせ(キャラが似てなくもない)といった感じで、なかなか良かったのではなかろうか。
ロードレーサーの疾走感が、主人公と常にシンクロしている。鎌倉の街を駆け抜ける姿は印象的。
ラスト、少年はロードレーサーと共に儚く散ってしまった…運命はなんて残酷なのだろう。残された家族の身にも…と口走ってしまいそうだが、そんなこと俺が言える次元ではないことは確実だ…。自分の生命を代償することによって生まれるものは何か…。
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