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[コメント] 真夜中の虹(1988/フィンランド)

青、碧、蒼。
ゾラゾーラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







テレビの画面、カーテン、壁、ホテルの洗面所、嫁はん(?)の服、ミッコネンのとっくりセーター、月の光、刑務所の灯、一瞬だけ出てくる昼間の空、などなど・・・これでもかと「あお色」に拘った色彩。うーむ凄い。

「しろ」の使い方、一カ所だけ出てきた暗室の「あか」がまた利いている。この監督は色遣いの天才。

素晴らしい色彩、センスの良い音楽、随所に有る笑い所で、不幸な話を不幸な話だけに見せず、観易くするのも巧い。

無意味にでかい車とその幌、どんな状況でも煙草を欠かさないカスリネン、スレていそうで素直な子ども、素顔丸出し&現金手掴みの銀行強盗・・・笑えたなあ。

あと、初見の『浮き雲』でもそうだったのですが、感情の描写、表現が本当に巧い! 皆台詞が少なく、無表情なのですが、巧いんやなあ・・・(台詞は一言も無いのだけれど、3人で海でくつろぐシーンなんか抜群に良かった)

編集の唐突さと、いきなり恋に落ちた2人には違和感を感じたけれど、まあ有りでしょう。素晴らしいシネマ。

アキ・カウリスマキ、知るのが遅過ぎた!

(評価:★5)

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