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[コメント] そのときは彼によろしく(2007/日)

きれいで、やさしくて、不器用な、そんな人たちばかりが出てくる稀有な世界。水草の繊細で透明な緑と、秘密基地がある湖のほとりの深い緑と、キラキラと輝くプリズム。美しい世界だった。
ムク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キラキラ星がこんなに透き通った硬質な歌だと思ったのははじめてだった。どうして繰り返しこの歌が出てくるのだろうと思っていたのだけれど、花梨がふたりに貰ったプリズムを星のようにかざして歌うシーンでやっとわかった。花梨にとってこのプリズムが星だったのだと。その上、10年以上過ぎても彼女にとっての星がこのプリズムだったのにひどく心が揺さぶられてたまらなかった。

また、子どもの頃から互いが想い続けていたことや、智史が待ち続けたのにも驚いた。気持ちだけでずっと繋がっているのはなんてきれいなんだろう。脆いはずのその繋がりがずっと繋がり続けていたのにも静かな美しさを感じた。

そして何より驚いたのは待ち続けるところで話が終わらなかったこと。正直、あの芽吹かなかった種が芽吹き、未来を予感させたところで話は終わるのだと思っていた。しかし、花梨が目を覚まし二人が再開を果たしたところで物語は終わる。

悲劇的な盛り上がりを描きたかったのではなく、二人の幸福を願った物語だったのだと暖かな気持ちになった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Youichi[*]

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